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梅雨の終わりに大雨を引き起こす要因とは 梅雨前線と高気圧と台風のトリプルセット

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著者:Hint-Pot編集部

情報収集のおすすめ 気象庁の「キキクル」と国土交通省の「川の防災情報」

梅雨前線及び台風第2号による大雨降水量の期間合計値分布図(6月1日~3日)【画像:気象庁】
梅雨前線及び台風第2号による大雨降水量の期間合計値分布図(6月1日~3日)【画像:気象庁】

 実際に、このとき気象庁は線状降水帯の発生を意味する「顕著な大雨に関する気象情報」を計11回出しています。もっとも多かったのが静岡県で、降水量の期間合計値は静岡県伊豆市天城山で517.5ミリを記録しました。

 そこで重要になるのが情報です。私がおすすめしているのは、国土交通省の「川の防災情報」と気象庁の「キキクル」(危険度分布)です。

「キキクル」は土砂災害・浸水・洪水の災害危険度を見ることができ、「川の防災情報」は川の水位や河川カメラをリアルタイムで見ることができます。このふたつは、実際に雨が降り始めたときに自分の自宅周辺の状況が確認できるため、避難の判断にも使うことができます。

 どちらも危険度ごとに色で表されているので、誰でもひとめで危険度がわかるようになっています。

水色(通常)→黄色(注意)→赤(警戒)→紫(危険)→黒(災害切迫)

「キキクル」で自宅周辺の災害の危険度を確認していただき、「川の防災情報」で川の水位や河川カメラで実際の川の状況を確認することができるので、わざわざ川を見にいくという危ない行為をする必要がなくなります。

 近年は河川の氾濫による被害も増えています。まずはハザードマップで、河川が氾濫したときの自宅の浸水予測を事前に確認しておくことが重要です。

 また、気をつけたいのは避難中の事故です。浸水した道路を車で無理矢理移動して立ち往生したり、流されたりするケースが増えています。浸水が30センチあればエンジンは停止しますし、ドアも水圧で開かなくなります。

 道路が浸水しているのに徒歩で避難される方もいらっしゃいます。普段歩き慣れた道とはいえ、道路が水に浸かっている状態では、どこまでが道路でどこが側溝なのか判断がつかなくなるものです。避難場所への移動が困難だったり危険だと思われたりする場合は、自宅のできるだけ高いところや上の階へ避難するようにしてください。

 最近ではスマートフォンのアプリでも、雨雲レーダーや風レーダー、台風情報を簡単に見ることができるようになりました。まずは正確な情報・最新の情報を収集するよう心がけましょう。

 そして、自治体から高齢者等避難や避難指示が出された場合は、速やかに安全な場所へ避難しましょう。また、情報が出されていない場合でも「いつもと違うな」など危険を感じたら、自分の判断で避難するようにしましょう。自分の命を守ることができるのは自分しかいないのです。

◇早田蛍(はやた・ほたる)
熊本県生まれ。高校生のときに気象予報士を志すも、大学受験に失敗し、フリーターに。しかし、「一生やりたい仕事ってなんだろう?」と一念発起し、福岡大学経済学部に入学。1年生のときから再び、気象予報士を目指して勉強をスタートさせる。4年生の3月、8回目の試験でようやく合格し、見事、気象予報士の夢を実現させた。

(Hint-Pot編集部)