Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

お金

新NISA制度がすごい 改正ポイントを税理士が解説 手取り10万円台でもお金を貯めるにはいくら運用すべき?

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

1か月あたりの投資額 正解は?

 それほどお得なら、毎月の余ったお金を全額つみたてNISAに投資したいと思うかもしれません。しかし、病気などの非常事態に備えてまずは手取り月収の3か月分、できれば6か月分はいつでもおろせる普通預金などに残しておきたいところ。手取り月収15万円の人であれば、3か月分で45万円、6か月分で90万円です。

 いざというときの貯蓄を残したら、月の貯蓄&投資(つみたてNISA)の目標額を確認しましょう。私のおすすめは、手取り月収の2割。それはちょっと厳しい……という場合でも、1割は貯めたいところです。

「そんなに貯められない!」という人は、今日から頑張って“貯蓄体質”になりましょう。支出を減らし“貯蓄体質”になる方法などは、過去の記事を参照してください。

積立額の目安を知る

 貯蓄と投資のバランスは、貯蓄がどのくらいあるかによって決めましょう。「そもそも普通預金さえない!」という人は、貯蓄を優先しつつ、つみたてNISAを「1日100円投資(月3000円)」から始めてみてはいかがでしょうか。資産運用の一歩目を踏み出す勇気が持てないという人でも「1日100円」くらいなら、万が一損をしても、外でコーヒーを飲んだと思えば安いものです。

 普通預金に手取り月収の6か月分が貯まったら、積立額を増やしてみましょう。目安は、毎月貯められるお金の3割程度。たとえば、毎月2万円貯金できるのであれば、そのうちの6000円を投資に回すイメージです。

 仮にそれを10年続けると約252万円(貯金168万円+NISA84万円)、20年で532万円(貯金336万円+NISA196万円)になります(ともにNISAを年利3%で運用した場合)。月々の積み重ねをするかしないかで、これだけの金額が貯められるということです。

 また、積立目標額を決めてから月々の積立額を決める方法もあります。そういった場合に使える「つみたてのシミュレーション」ができる、楽天証券の「積立かんたんシミュレーション」、CASIOの「積立計算(複利毎課税)」といったオンラインサービスもあるので、利用するといいでしょう。

 将来のために、今ちょっとだけ工夫をしてお金を投資&貯蓄に回すことをおすすめします。

(板倉 京)

板倉 京(いたくら・みやこ)

1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。