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「かき氷はアイスより太らない」は嘘? ダイエット中の注意点を栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

かき氷は「氷菓」 乳固形分が低く一般的には低カロリーだが…

シロップがかかったかき氷(写真はイメージ)【写真:写真AC】
シロップがかかったかき氷(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 アイスクリーム類とは別に「氷菓」と呼ばれるものがあります。たとえば、アイスキャンディやシャーベット、かき氷などです。アイスキャンディは主に果汁などを氷結させ、棒が付いたもの。シャーベットは果汁を主とし、砂糖や牛乳などを混ぜ合わせて凍らせています。かき氷はそのものに混ぜ物がされておらず、シロップやトッピングを氷の上からかけたものです。

 氷菓は「水、牛乳等の液体食品またはこれらの混合物に小豆、澱粉、果汁、果実、砂糖、蜜などの食品、または着色料、香料などの添加物を混和し、固形態に凍結させたもので、乳固形分が3%未満のもの」と規定されています。

 したがって、氷菓に乳固形分はほとんど含まれておらず、アイスクリーム類よりエネルギーは低いと言えます。しかし、それは昔ながらの着色されたシロップのみをかけていた時代の話です。現在のようなドルチェ感覚の、フルーツや甘いソースがたっぷりのかき氷となるとそうではありません。

 近年人気のいろいろとトッピングされているかき氷は、別物と考えてください。かき氷といっても氷菓ではなくなりますし、ダイエット中の人は注意が必要です。食後のデザートとして小さなカップのものを食べるか、またはご褒美として専門店でたまに食べると良いでしょう。

食事代わりはNG! もし食べるなら日中がおすすめ

 暑くて食欲がないからといって、冷たいかき氷やアイスを食事代わりにすることは、当然のことながら栄養学的におすすめできません。空腹時に甘い物を食べると血糖値が急上昇し、脂肪を溜め込みやすくなり、糖尿病予備群の仲間入りになるリスクもあります。

 また、冷たいものばかり食べていると、胃腸が冷えることで働きが低下し、夏バテの原因になりやすいといわれています。代謝も悪くなり、かえって太りやすい体質になってしまうことも。アイスクリーム類も氷菓も、食後のデザートとして適量を食べましょう。

 夜は代謝が悪くなり、また脂肪合成を促すホルモンが増えて脂肪が蓄積されやすいといわれています。ケーキのようなドルチェかき氷やアイスなどのデザートを食べるなら、日中が良いでしょう。

 ダイエット中に冷たいものが食べたいときは、バナナやパイナップルなどのフルーツに低脂肪牛乳と氷を加えてミキサーにかけると、シャリシャリ感があっておいしいです。プレーンヨーグルトを凍らせて、フローズンヨーグルトとして食べるのも良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾