仕事・人生
現役東大生に聞くユニークな勉強法 「ノートは書き込まない、テキストは読み込まない」
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手書きのまとめノートは作らない 問題と解答のコピーを貼る
受験に臨むうえで、内容への理解を深めるために手書きのまとめノートを作る受験生も多いでしょう。しかし、田中さんにそういった手書きのノートはありませんでした。
「受験生が過去問を解いていくとき、たとえば記述式の問題なら実際にノートに書いて、添削を受けたり、自分で模範解答と照らし合わせたりすると思います。でも、私は書いている時間がもったいないと感じてしまうタイプでした」
これには、田中さん自身の「字を書くこと」に関するこだわりも理由にあります。
「私はきれいな字を書くことにこだわりがあって、少しでも自分が気に入らない字を書いてしまうと、すぐに新しい紙にしたいくらいなんです。汚い字のノートだと、それを見るのも嫌なくらいで。でも、効率を考えたら受験生がやっている場合ではないですよね(笑)」
そこで、自分で納得のいくきれいなノートを作れないなら、作らないほうがいいと考えたそうです。田中さんのノートといえば、問題と解答をコピーして貼ったもの。必要時に見返し、活用していました。「とくに受験期の後半には、手書きのノートというものはなかったと思います。数学の問題を解くときは、チラシの裏を使っていたくらいです」と、文字を書く時間を効率化していきました。
勉強の計画も数々の失敗を乗り越えて模索
田中さんのこだわりは「きれいな字を書く」ことだけではなく、「計画を立てること」にもあったそうです。ときには、“完璧主義”すぎて計画時点で止まってしまい、前に進めずにいたことも多かったといいます。
「勉強の計画でひとつでも達成できないと嫌になって、また一から計画を立てたくなってしまうんです(笑)。そのせいで計画に失敗したことが何度もありました。なので、大学受験の過去問を解くときは母にお願いして、計画を立ててもらうようにしたんです。誰かにお願いすることで“ありがたみ”を感じることができて、もう一回計画を立て直さなくちゃという気持ちにならず、できなかった部分も明日やろうと気持ちを落ち着かせることができたんです」
徹底的に無駄を省いたユニークな勉強方法で、東大受験を乗り切った田中さん。自分の性格や苦手を受け入れて、向かないことは頑張らずほかの方法を見つける発想の転換が、成功を手にするポイントといえるでしょう。
(石川 遼)