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宿題代行、利用する側の心理「学校の宿題より塾の勉強」 業者告白「中学受験を志す方からの依頼が最多」
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個人業者は「月3万円が限界です」 業者の規模によって収入に明暗も
一方で、宿題代行は現役大学生や医大生が個人で請け負うケースも少なくありません。そのうちの1人、業者Bにも話を聞きました。
Bが宿題代行を始めた理由は、Aとは異なります。「理由は作文が得意だったことと、コロナの影響でバイトが減ったことです」と、切実な事情を語ります。
宿題代行は他のアルバイトに比べ、自宅で気軽にできるというメリットがあります。
今年の夏休みの傾向については、「読書感想文や税の作文が多いです」とし、小中高では「高校生からの依頼が一番多い」と明かしました。
1つの宿題で得られる利益は、「おおむね文字数の2倍ですので、2000円くらいが中央値」としたうえで、「アルバイトとして考えると全然だめです。月3万円が限界です」と嘆き節も。個人で行うと、グループで行っている専用アカウントのような報酬額のようにはいかない側面もありそうです。
また、学生からは保護者を通さず、直接依頼が来るといい、「小中が少ないのはそういった親の目があるからかと思っています。逆に高校から大学までが多いのもその裏付けでしょうね」と、間接的な親の抑止力も感じていると主張しました。
宿題代行に対する、世間の批判的な反応や罪悪感については、両業者とも「もちろん社会的に反発があることは承知しております」(A)、「歓迎はされないと思います」(B)と、受け止めています。学校側は、宿題が代行業者の仕事だとは知りません。一方で、Bは「その通りだと思いますが、自力でしない人のこと等、知ったことではないと思います」と、依頼する学生を突き放しました。
近年、学生の意思を尊重したり、教員の働く時間軽減を理由に、宿題自体を廃止する学校が増えています。宿題代行に一定の需要があることは、学校現場の意向と家庭の受け止めの乖離(かいり)など、宿題のあり方が改めて問われているのかもしれません。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)