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伝統製法にこだわる塩職人が直面するプラスチックゴミ問題 米在住ナチュラリストが学んだこと
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毎日の生活に欠かせない調味料の塩。米ロサンゼルスで娘3人を育てるナチュラリストの小田島勢子さんはこの夏、4年ぶりに日本へ一時帰国し、兵庫県淡路島の塩職人を訪ねました。今回は、伝統的な製法の見学を通して学び感じたことを綴ります。
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新学期が始まり新たな日常がスタート
ロサンゼルスの郊外で暮らす我が家の子どもたちは、8月の半ばから新学期が始まりました。米国だと、夏休みなどの長期休暇の期間が校区ごとに異なります。学校の休みや就業時間などのスケジュールは、毎年それぞれの校区内で話し合いのもと調整・決定されるのです。
良い面は、全国的に休みがいっせいに始まったり終わったりするわけではないので、旅行などで観光地や交通機関に人が集中して混み合わず、楽しむことができる点です。その反面、校区が違う友人との都合がなかなかつかなかったり、兄弟で校区が違うと休みが合わず、とくに長期の家族旅行が困難になったりします。
我が家も今年から小・中・高校生と、3校別々の学校への送迎が始まりました(米国では親が高校卒業まで送迎するのが基本的なスタイル)。子どもたちそれぞれの学校スケジュールを管理するのは、まるでジグソーパズルです。
これからしばらくの間、新しい日々に合わせたルーティン作りが始まります。日本では引き続き夏休み。それぞれのやりたいことを、できる限り謳歌してください。
伝統的製法で塩を作る淡路島の職人を訪問
今回は前回に引き続き、普段と違った目線で綴りたいと思います。この夏、私たち家族は4年ぶりに日本へ帰国。約1か月の滞在で日本各地を訪れ、自然や菌と対話するように、もの作りをする職人さんと交流しました。
そのなかでも、私たちにとても身近な塩を作っている職人さんのお話をしたいと思います。
友人を通じ、兵庫県淡路島にて伝統的製法で塩を作る職人の末澤輝之さんを訪問しました。淡路のとある海岸から汲み取った澄んだ海水を天日にかけたあと、鉄で作られた釜に薪をくべて、ゆっくりじっくりと煮詰めます。
海岸のそばに建てられた小屋で、約40時間かけてゆっくりと結晶化していく海の塩。結晶は徐々に美しいピラミッド型を形成していきます。釜に薪をくべ、海水を混ぜながら塩と対話する姿は、神々しさにあふれています。