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行くなら混雑していない今がおすすめ! 一度は行ってみたい尾瀬の魅力
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おすすめの景観は秋頃に見られる「尾瀬ヶ原の草紅葉」
「尾瀬というと、多くの方は尾瀬ヶ原の風景をイメージされると思います」と、代表的なエリアを教えてくれた大澤さん。
尾瀬国立公園は尾瀬ヶ原、尾瀬沼、会津駒ヶ岳、田代山・帝釈山などを含み、群馬県、福島県、新潟県、栃木県の4県にまたがる広さも特徴のひとつ。尾瀬を満喫するコースは複数ありますが、もっともポピュラーなコースは、「群馬県側の鳩待峠から尾瀬ヶ原を散策する、主に木道(湿原の中などに敷かれた木製の歩道)の上を歩く、初心者の方にも歩きやすいルート」だそうです。
さらに可能であれば、山小屋へ宿泊する行程もおすすめだといいます。
「宿泊しないと見られない、夕景や星空、朝もやが立ち込める幻想的な景色は、ぜひ一度体験していただきたいと思います。宿泊により尾瀬ヶ原と尾瀬沼の横断も可能になりますし、至仏山(しぶつさん)や燧ヶ岳(ひうちがたけ)に登るなど、コースの可能性が何通りにも増えます。時間がたっぷりあることで、見えてくるものや感じることがあると思います。尾瀬の山小屋はお風呂にも入れて、快適にお過ごしいただけますよ!」
尾瀬のベストシーズンは5月から10月頃。季節によって見られる草花や景色が異なるので、訪れるシーズンを選んだり、時期を変えて再訪したりするのもいいかもしれません。大澤さんは、「ミズバショウ(春)やニッコウキスゲ(夏)の時期はやはり人気ですが、秋の草紅葉という背の低い植物が赤や金、茶に色づく時期は趣があり美しいです」とおすすめします。
「ただし、注意してほしいこともあります。尾瀬は山岳地なので、適した服装や装備が必要です。足元はトレッキングシューズや登山靴がベストですし、急な天候の変化に対応できるように雨具(レインウエア)もご用意ください。また、朝夕と日中との気温差が大きいこともあるので、事前に気温や天気を調べていただき、体温調整が可能な重ね着をご準備いただくと、快適に過ごせると思います」
さらに大自然が広がる尾瀬は、「どこでも携帯電話がつながるわけではありません」と呼びかけます。場所によって電波が入らないこともあるので、注意が必要です。
自然保護運動発祥の地・尾瀬
コロナ禍による行動制限が明けた今年は、東京都内や地方の観光地でも、多くの訪日外国人観光客を見かけます。観光地に人が増えすぎるとゴミや騒音などの問題が起きやすいといわれますが、「尾瀬ではゴミは捨てられない、持ち帰らなければならないことは、外国から来る方にも知られているようです」と、今のところ、そういった問題は起きていないそうです。
しかし、「言葉の壁や文化の差異によるルールやマナーがわからないことは、当然あると思います」と大澤さん。豊かな自然と景観を未来に残すためには、「外国の方でもわかるサイン表示や多言語での広報・啓発を充実させる必要があります」と、今後の課題を語りました。
「尾瀬は自然保護運動の発祥の地といわれており、たくさんの人たちによって愛され、守られてきました。そのおかげで残された美しい自然に五感を使って触れてもらい、みなさんの身近にある自然の大切さについても考えていただけたらと思います」
自然を守りながら、楽しむことができる尾瀬国立公園。初心者でも歩きやすいコースで美しい景色を眺め、おいしい空気を思いきり吸って、癒やされたいですね。
「尾瀬での体験と感動を、自然を守る力に変える」をミッションに掲げ、「伝える」「促す」「つなぐ」の3つの柱を軸に、尾瀬の美しい自然を守るため、そして素晴らしさを伝えるための活動を行っている。
(Hint-Pot編集部)