料理・グルメ

農家の嫁が綴るサツマイモのツウな話 「朝顔の仲間」「収穫直後はさっぱりした味」

著者:こばやし なつみ

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収穫したてのサツマイモ【写真:こばやしなつみ】
収穫したてのサツマイモ【写真:こばやしなつみ】

 これからがおいしい野菜といえば、サツマイモです。“バリキャリ”女子だった東京の会社員から脱サラし、4年前に茨城の兼業農家に嫁いだ“農家の嫁なっちゃん”こと、こばやしなつみさん。現在、年間40品種の野菜を育てる小さな農業に励むなっちゃんが、サツマイモについて綴ります。甘くてホクホクしたイメージのサツマイモですが、収穫直後はさっぱりした味が多いようです。「実はアサガオと同じ」というサツマイモのツウな話をお届けします。

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秋に収穫、貯蔵して糖度が高まる 変幻自在な野菜のひとつサツマイモ

 実りの秋、この時期に一大イベントとなるのが、サツマイモの収穫です。密集するツルをひっぱり、サツマイモを掘り当てる楽しさ、一度は幼少期に体験したことがある人も多いかもしれません。サツマイモ掘り体験も各地で実施されていますね。ただし農家の仕事となると、とにかく大変な作業のひとつとも言えます。

 サツマイモは収穫後、冷暗所で保存することで糖度が増すため、これからどんどん甘みを増していきます。裏を返すと、収穫したてのサツマイモは、さっぱりしている傾向が強いようです。ふかしたり、焼いたりしてそのまま食べても美味しい上に、スイーツやでんぷん用、酒類に加工されたり、まさに変幻自在な野菜のひとつですよね。

 うちの農園では、10月の収穫後に貯蔵して糖度を高め、11~12月を目途に干しイモを作るために「紅はるか」という比較的新しい品種を栽培しています。しっとりした食感に、味は非常に甘みが強いのが特徴です。時間をかけて加熱したり、天日干しにしたりする過程で甘みがより一層引き出されることから、干しイモや焼き芋への加工用に栽培されていることが多いようです。

 サツマイモは品種開発が盛んで、品種ごとの味や食感の違いを生かして、家庭でも料理に合わせて使い分けている方が増えてきているかもしれません。味がさっぱりしたものから、糖度が高いもの、そして食感がホクホク系かネットリ系か、肉色が黄色・紫色・オレンジ色…、品種名を挙げだしたら迷宮入りです。一方で、ものすごく身近な野菜でもあり、価格も安定的であるサツマイモ、育てる側になってみても、収穫直後から追熟期間も含めて、長く味わえる点が嬉しい野菜です。