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農家の嫁が綴るサツマイモのツウな話 「アサガオの仲間」「収穫直後はさっぱりした味」
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サツマイモの花はアサガオに似ている 基本的には熱帯や亜熱帯で開花
サツマイモは、1605年に中国から琉球国を通して日本に入ってきたといわれ、それ以来、何度となく飢饉や食糧難で人々の命を救ってきたという歴史にも納得です。これを機に、今まで手にしたことがなかったサツマイモの品種などに目を向けてみて、その品種に合った料理に挑戦してみるのはいかがでしょうか。お財布にも優しく、美味しいサツマイモの食べ方の新発見につながるかもしれません。
関東では初霜が降りる前の10月がサツマイモの収穫シーズンです。サツマイモは、ヒルガオ科サツマイモ属に分類される野菜です。ヒルガオ科ということで、夏に緑のカーテンとなり、さわやかな花が咲くアサガオと同じ仲間です。これを知ったのは、嫁いだ後で、当初話だけを聞くと「意外!」と感じました。が、成長過程でグングンとつるを伸ばし成長していく様子と、ハートのような葉の形状などから、同族であることを読み取ることができました。そして私自身はまだ見たことはありませんが、サツマイモには、アサガオに非常に似た“花”が咲くそうです。
実は、サツマイモは栽培発祥地がメキシコからグアテマラ地域と考えらえていることから、熱帯地域や亜熱帯地域でないと、基本的には開花しないそうなのです。よって、温暖な沖縄や九州の南部を除く日本の各地域では、開花時期が低温にあたることにより、ほとんど開花しないということです。一方で、沖縄や九州南部では花が咲く様子が見られることがあるそうなので、旅行などで訪れた際には、サツマイモ畑を覗いてみると貴重なサツマイモの花を愛でることができるかもしれません。もしくは、今後、本土でも多くのサツマイモが花を咲かせる日が来たなら、それこそ地球温暖化の静かなサインになるのではないでしょうか。
参考:
「品種改良の日本史」(編著:鵜飼 保雄・大澤 良、発行:悠書館)
「改訂 増補 栽培植物の起源と伝播」(著者:星川 清親、発行:二宮書店)
(こばやし なつみ)