仕事・人生
「下請法」では防げないトラブルに対応 「フリーランス新法」のメリットとは
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フリーランス自身が新法を知り、理解することが大事
さらにもうひとつ、発注者(特定業務委託事業者)にフリーランスの就業環境整備を課している点も大きなポイント。
「基本的にフリーランスは事業者であっても、生身の人間です。しかし、これまで日本の法律では事業者は人格でなく、事業を行う“箱”(法人格)という扱いでした。なので、事業者の妊娠・出産や介護、ハラスメントに関しては今までほとんど配慮されてきませんでした。しかし今回、この就業環境の整備が法案に組み込まれることになったのです。これは厚労省が相当粘って交渉してくれた結果だと思っています」
配慮される内容や細かい規則については、「これから年末まで検討会が開催されるので、そこで詰めていく予定」だそうで、平田さん自身も検討会の委員を担当しているといいます。
まずは「フリーランス自身が『フリーランス新法』について理解することが大事」だと言う平田さん。
「たとえば、特定業務委託事業者から『契約書とか、うちはないよ』と言われたときに、『法律で決まったので、ちゃんと明記していただかないと御社も困ると思いますよ』と交渉しやすくなる武器になります。なので、法律を知っておく、勉強しておくことは大事です。そのうえで来年秋の施行を待たずに、取引条件をきちんと確認して残しておくというスタンスは、自らを守るという意味でも大切なことです」
人生100年時代に突入し、就労寿命が延びた今、自分に合った就業形態やライフステージに沿った働き方を選択して、キャリア自律を目指していきたいですね。
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事。2017年1月に同協会を設立。自身も企業に属さない広報職のフリーランスとして仕事をする傍ら、フリーランス向け賠償責任保険、弁護士費用保険制度などの福利厚生制度の開発・提供や政策提言、キャリア支援、コミュニティ形成の場作りや情報提供など、フリーランスやパラレルワーカーが活躍できる土壌作りのために、同協会の代表理事として尽力している。
(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)