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子どもとの食器共有、ナーバスにならないで 日本口腔衛生学会の真意 「親からの口腔細菌感染は食器の共有の前から」
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必要な親子のスキンシップ 注意したいのは歯みがきや砂糖の摂取
改めて、子どもと食器や食べ物の共有はしてもいいか尋ねると、「口腔衛生学会の立場として現在の科学的根拠を踏まえ、積極的に共有を推奨するわけではありませんが、気にしすぎる必要はないと考えられます」と回答。
乳幼児に対する愛情表現についても、「スキンシップは大事なものです。虫歯のリスクの増加を心配して、腕に赤ちゃんを抱いて話しかけるといったスキンシップを避ける必要はないと考えられます」との見方を示しました。
乳幼児の虫歯は考えるだけで恐ろしいですよね。自分で磨けないだけに、親にかかる負担や責任も大きいです。ただ、それを不安に思うあまり、食器の共有について神経質になる必要はありません。むしろ、虫歯の予防には、日ごろの歯みがきや生活習慣のほうが、高い効果を発揮することが研究によって実証されています。
「砂糖の摂取を控え、親が毎日仕上げみがきを行って歯垢を除去し、またフッ化物を利用することでう蝕を予防することができます。特に、フッ化物の利用は多くの論文でう蝕予防効果が確認されている方法です。甘い飲み物、食べ物をだらだらと飲食せず、また夜寝る前には飲食をしないことも大切です。歯科医院での定期的なクリーニングやフッ化物塗布も有用です」と、呼びかけました。
日本では子どもの虫歯は減少傾向にあるものの、その罹患率は他の疾患と比較しても高く、また成人では約3人に1人が未処置の虫歯を有しているとのことです。
日本口腔衛生学会ら4学会は、虫歯予防のためにフッ素入りの歯みがき粉の推奨される利用法を紹介しています。歯が生えてから2歳までは米粒程度(歯ブラシに対して1~2ミリ程度)、3~5歳はグリーンピース程度(5ミリ程度)、6歳~成人(高齢者を含む)は歯ブラシ全体(1.5センチ~2センチ程度)とし、いずれも歯みがきの回数は就寝前を含め1日2回行うことをアドバイスしています。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)