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皮にも栄養があるナスは生でもおすすめ! 無駄のない食べ方や調理のポイントを栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

みずみずしいナス(写真はイメージ)【写真:写真AC】
みずみずしいナス(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ナスは、日本で昔から親しまれてきた野菜のひとつ。水分が多く、味わいが淡泊なことから「栄養がない」印象がありますが、実際はそうではないようです。ナスの栄養や豆知識について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

日本で古くから親しまれてきたナスの栄養とは

 日本では、奈良時代にはナスが栽培されていたとみられています。一般的な中長ナスをはじめ、東北から関西、北陸地方などでは丸ナス、西日本や東北地方などでは長さ20センチほどになる長ナス、九州地方では40センチほどになる大長ナスなど、昔から日本各地でさまざまな品種が作られてきました。

 ナスは約93%が水分なので、「栄養がない」イメージを持たれやすいことも。しかし、栄養がまったくないわけではありません。実際には、余分な水分や塩分を体外に排出し、むくみや高血圧に有効なカリウムをはじめ、腸内環境を整えて便通を促す食物繊維も含んでいます。

 同様に低カロリーで知られるキュウリ、緑豆モヤシ(各100グラム、生)と、日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに比較してみましょう。

○エネルギー
ナス:18キロカロリー
キュウリ:13キロカロリー
モヤシ:15キロカロリー

○食物繊維
ナス:2.2グラム
キュウリ:1.1グラム
モヤシ:1.3グラム

○カリウム
ナス:220ミリグラム
キュウリ:200ミリグラム
モヤシ:69ミリグラム

○葉酸
ナス:32マイクログラム
キュウリ:25マイクログラム
モヤシ:41マイクログラム

 このほか、ナスにはコーヒーで有名なクロロゲン酸も含まれます。アクの成分ですが、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えて生活習慣病や老化の予防が期待できる栄養成分です。またナスの紫色の皮部分には、ポリフェノールの一種でナスニンと呼ばれるアントシアニンが多く含まれ、こちらも抗酸化作用があります。