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石焼き芋が甘くなる理由とは ほくほく系やねっとり系などサツマイモの豆知識を栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ほくほく? ねっとり? 品種もたくさん

さまざまな品種があるサツマイモ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
さまざまな品種があるサツマイモ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 現在、日本で栽培されているサツマイモの品種はさまざま。食感でみると、ほくほく系とねっとり系に分けられます。主な種類を食感と合わせて紹介しますので、スーパーマーケットなどで購入する際の参考にしてください。

○鳴門金時
 ほくほく系。徳島県を代表するブランドで、皮は鮮やかな紅色、中身は黄金色です。ほくほくした食感で糖度も高めのものが多く、お菓子作りにも用いられます。口に入れると、ほろほろと崩れて、ほんのりと甘さが口に広がるのが特徴。栗のようにほくほくとした昔ながらの味わいです。

○紅さつま
 ほくほく系。鹿児島の気候風土に向いたサツマイモとして知られています。皮は赤紫色、中身は淡黄色で、加熱すると黄色に。甘みが強く、ほくほくの中にもしっとり感があり、冷めてもおいしいといわれています。

○高系14号
 ほくほく系。西日本を中心に人気があり、早掘りできることで知られています。皮は濃い赤色、中身は淡黄色で甘みが強く、粉質な食感が特徴。高系14号をもとに品種改良や選抜が行われ、鳴門金時や紅さつまも同じ系統となります。

○紅あずま
 ほくほく系。皮は濃い赤紫色、中身は淡い黄色で、加熱すると濃い黄色に。甘みがしっかりしているので、サラダやスープにしてもおいしく食べられます。繊維質が少なくなめらかで、貯蔵させるとねっとりの食感を持つのが特徴です。

じっくりと焼いた石焼き芋(写真はイメージ)【写真:写真AC】
じっくりと焼いた石焼き芋(写真はイメージ)【写真:写真AC】

○シルクスイート
 ねっとり系。2012年から出回っている比較的新しい品種です。皮は濃い赤紫色、中身はクリーム色。収穫したてのものは粉質がありほくほく系ですが、貯蔵することでねっとり食感に変わります。ほどよい甘さが特徴です。

○安納芋
 ねっとり系。鹿児島県種子島で栽培されています。皮は赤みを帯びた褐色。中身のクリーム色は、加熱するとオレンジを帯びた黄金色になります。甘みが強く、焼くとミツが出るのが特徴。冷やすとアイスクリームのように食べられます。

○紅はるか
 ねっとり系。長くてずんぐりとした形です。皮は紅色、中身は淡黄色で、加熱すると黄金色になります。クリーミーな口当たりとしっかりとした甘さが特徴です。従来のものより「はるか」においしいことから、「紅はるか」と名付けられました。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾