どうぶつ
「ねこにかじられてしまいました」 歯形が付いていた意外な場所 かわいい“ネコハラ”にほっこり
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ねこが仕事の邪魔をする様子は“ネコハラ”などと呼ばれ、SNSでよく話題になります。今回ご紹介するのは、X(ツイッター)で3.2万件以上の“いいね”を集めたねこのいたずら。しかし、写真にねこの姿は一切写っていません。注目を集めた理由とはなんだったのでしょうか。かわいらしい“犯人”の姿もその後公開され、話題を呼んでいます。
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翻訳書の校正中にハプニング 歯形を残してほしいとの声も
「訳者から戻ってきたゲラ、ねこさんも校正しようとしてくれたのでしょうか」
そんなコメントを添えて話題の写真を投稿したのは、東京都千代田区にある、思想哲学や社会科学、文学、芸術関連書籍を中心に刊行している出版社「作品社」の公式Xアカウントです。写真には、左端が半円状にえぐれたゲラが写っています。
ゲラとは、書籍の出版を前に、誤字や脱字などをチェックする校正の際に用いられる校正紙のこと。半円状に端が破れたゲラには、「ねこにかじられてしまいました。すみません」と書かれた付箋が貼られています。
ねこの姿は見えないものの、ゲラに付いた歯形からいたずらをするねこの愛らしい姿が浮かんできますよね。投稿はXで大きな話題になり、3.2万件もの“いいね”が集まりました。
リプライ(返信)には「これは許しちゃうやつ(笑)」「芸術作品にしてくれています……!」「なんとかわいいいたずら」「よく噛み締めたようですねw」「ねこ(神)様もかじりつく作品だったのでしょう」など、おもしろすぎるハプニングにほっこりする声が。
また、「売れるでぇ~これは」「ぜひねこちゃんのかじり跡付きで校了へ!」「本の装丁をこれをモチーフにした柄に それかカバー下に!」など、歯形を残した書籍が出版されることを望む声も寄せられています。
ベストセラーのおまじない? かじった理由は“永遠の謎”
このゲラをかじった“犯人”は、15歳の元保護ねこ「アイム」ちゃん。「ヒトラーランド ナチの台頭を目撃した人々」(アンドリュー・ナゴルスキ著)などの訳を手がけた、翻訳家・北村京子さんの愛猫です。
北村さんによると、“事件”が起こったのは、ゲラを読むのを中断して、お茶をいれるために数分ほど席をはずしたときのことでした。戻ってくると、ゲラの左端がかじられ、その一部にはアイムちゃんの歯形がくっきりと残っていたそうです。
「小さい頃から早く起きろ、ごはんを出せなど何か要求があると、手近にある紙をかじって、細かくちぎる癖があります。これまでに何十冊もの本の表紙や帯をビリビリにされてきました。段ボール箱も細かくちぎれる歯を持っています」
アイムちゃんは、紙類をかじっても吐き出すそうで、これまでに飲み込んでしまったことはないそう。紙をちぎる音はとても大きく、それ以上はちぎられたくないため、北村さんはアイムちゃんの要求を聞き入れる場合が多いそうです。
「アイムもそれをよくわかっているようです。紙をかじる以外のいたずらはしません」
アイムちゃんが紙をかじるのは要求があるときだけなので、「人がいない部屋で紙をかじったのはなぜなのか、今でも不思議です」と北村さん。かじった理由も要求も“永遠の謎”だといいます。