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「勉強道具はほとんど塾のロッカーに」 東大現役合格者が選んだ“自分に合った”塾の活用法

公開日:  /  更新日:

著者:石川 遼

東大3年生の吉住咲良さん【写真:石川遼】
東大3年生の吉住咲良さん【写真:石川遼】

 日本の最高峰・東京大学(以下、東大)に合格する人たちは、どのように受験を攻略していたのでしょうか。現役東大生が実践してきた勉強法やマインドに迫るこの連載。今回は、東大文学部3年生・吉住咲良さんのインタビューをお届けします。中学生までは塾に通わず、家でばかり勉強していたそうですが、東大受験に向けて状況は一変し、行かない日のほうが珍しいほど塾に入り浸って勉強をしていたそうです。映像授業スタイルの塾を選んだ理由や、ほぼ365日塾に通い詰めていたという受験期のことを振り返ってもらいました。

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高校で理系→文系に 塾の先生のすすめで東大進学を決意

 長野県出身の吉住さんは長野県上田高等学校に通い、同県内の国立大学である信州大学の医学部を目指していたといいます。中学生の頃から理系科目が得意で、理系の道に進むと、本人のなかで意志は固まっていたそうです。

 しかし高校進学後、壁にぶつかってしまいます。物理の授業内容がわからないと感じることが多くなり、得意だったはずの理系科目に苦手意識が生まれてしまったそう。そんなときにアドバイスをくれたのが、高校1年生の頃から通っていた塾の先生でした。冗談交じりに「東大を受けてみれば?」とすすめられ、初めは否定的な答えを返していましたが、東大のオープンキャンパスに参加して東大本郷キャンパス内にある安田講堂を目の当たりにすると、「かっこいい。ここに入りたい」と心を動かされ、受験を決意します。高校1年生の夏のことでした。

「医学部を目指す場合、物理ではなく生物や化学で受験するという道もあります。でも、私が通っていた高校ではその科目は少数派で、理系はみんな物理を選択する傾向にありました。それで、そのまま理系で大学を目指すのはまずいと感じるようになっていったんです。でも、私は理系が得意という以前に英語も大好きで、国際系の学部も選択肢にありました。なので、理系から文系にシフトする決断に迷いはありませんでした」

 東大を目指したきっかけに塾の先生からの助言があったと振り返るように、吉住さんにとって塾の存在はとても大きなものでした。単に塾といっても、教室で大勢の生徒が一緒に授業を受ける集団指導塾もあれば、生徒一人ひとりに先生がマンツーマンでつく個別指導塾など、種類はさまざまです。吉住さんが通っていたのは、生徒が個別のブースで映像授業を受講する「東進衛星予備校」。自分のペースで学習を進められるスタイルが、肌に合っていたのだといいます。