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からだ・美容

眉やリップに施すアートメイク 持続期間はどれくらい? 失敗しないための注意点とは 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

アートメイクをしてみたいけれど…注意点は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
アートメイクをしてみたいけれど…注意点は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 朝のメイク時間が格段に短くなる、汗をかいてもメイクが崩れず直す手間がなくていい、温泉やプールに行ってもすっぴんに自信が持てるなど、アートメイク人気が高まっています。一方で、消費生活センターには、アートメイクによる健康被害などの相談が増えているそうです。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は、アートメイクについて美容形成外科の佐藤卓士医師に伺いました。

 ◇ ◇ ◇

皮膚の表層部に色素を入れるのがアートメイク

 落ちないメイクとして幅広い世代の方が興味を持っているアートメイク。これは、皮膚に専用の針で色素を注入するもので、医療行為です。医師や医師の指導を受けた看護師のみが施術できます。気軽にできるイメージがあるので、エステや眉毛サロンでできると思われる方もいらっしゃいますが、認可を受けた医療機関で施術を受けてください。

 タトゥーも針を使って皮膚に色素を注入するものですが、アートメイクとの大きな違いは色素を入れる皮膚の場所。タトゥーは真皮に、アートメイクは皮膚の表層から0.02ミリくらいの表皮の浅い部分に入れるため、持続性が異なります。

 皮膚の深いところまで色素を注入するタトゥーは、半永久的に残ります。アートメイクは皮膚の浅い部分に入れるので、肌のターンオーバーが繰り返されると徐々に薄くなり、個人差はありますが1~3年ほどで消えていきます。

眉毛、アイライン、リップなど幅広いメイクに対応

 ポピュラーなのは眉毛ですが、アイライン、リップ、ヘアライン(生え際)、ほくろに対応可能です。

 メイク時間を短縮したい、メイクしなくても外出したい、眉毛の形が決まらないのでプロにお任せしたい、若い頃に眉毛を抜きすぎて生えてこなくなったから描き足したい、唇の形をきれいに見せたい、加齢で生え際が薄くなってきたので自然に増やしたい、ほくろをつくって顔の印象を変えたい……といった方たちが施術に訪れます。

 眉毛は、パウダーアイブロウでメイクをしたようなふんわりとしたナチュラルに仕上がる技法や、眉毛一本一本を描いたような立体感のある眉に仕上がる技法があります。

 アイラインは上下ともに施術可能で、目になじむ色を選ぶことができます。アイラインを描くのが苦手という方に好評です。

 リップはフチと全体に色を入れるフルリップと、リップラインと内側をなじませる施術方法があります。唇が薄い、色ムラがある、輪郭がぼやけているという悩みを解消できるでしょう。

 初めての場合、1回では色が定着しにくいので、一定期間を空けて2~3回施術を行います。デザインを微調整しつつ、色が定着してより自然な仕上がりになります。

 アートメイクは前述の通り、1~3年ほどで薄くなって消えていきますので、トレンドに合わせてメイクを変えることもできます。しかし、もちろん簡単に落とすことはできませんので、仕上がりを見て「イメージと違った」「なんか似合わないかも」と思ってすぐにやり直したいというのは難しいものです。

 もし修正したい場合は、ダウンタイム(約1週間)が過ぎるのを待ち、デザインをし直して、不必要なところはレーザーや専用クリームで除去して整えていきます。タトゥーと違い、数年経てば消えるので軽い気持ちで施術を受ける方もいますが、事前のカウンセリングでしっかりと要望を伝えてください。細部のデザインまで納得できたら施術に進みましょう。