Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

どうぶつ

耳はどこへ? 元保護ねこの鳴き声が「呪文系」に 飼い主を全力威嚇した理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

飼い主さんを威嚇してうなり声を上げるソングくん(画像はスクリーンショット)
飼い主さんを威嚇してうなり声を上げるソングくん(画像はスクリーンショット)

 耳を極限まで倒し、おしりを高く上げて“威嚇ポーズ”を取りながら、飼い主さんを見上げる1匹のねこ。のどの奥から絞り出すようにうなる声は、まるで呪文を唱えているようです。何かに取りつかれたかのようなねこの姿に、X(ツイッター)では驚きの声が続出。いったい何があったのでしょうか? 飼い主さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

空き家の庭で“ひとりぼっち”で鳴いていた子ねこのソングくん

 話題の動画に登場したのは、1歳5か月の元保護ねこ「ソング」くんです。退屈になるとけんかを仕掛けることもある一方で、飼い主さんが仕事から帰宅すると甘えん坊になる“ツンデレ”男子です。

 ソングくんと飼い主さんが出会ったのは、2022年6月末。ほとんどねこを見かけない地域で暮らしている飼い主さんの耳に、突然、子ねこの鳴き声が聞こえてきました。気になって周囲を捜索したところ、近所の空き家の庭で鳴いている子ねこを発見。

 飼い主さんは隣家の協力を得て捕獲器を設置し、数時間後に無事、子ねこを保護することができました。目ヤニと手足が少し汚れている程度で、猫風邪をひいたり、けがをしたりしている様子もなく、幸いにも健康状態はとても良好でした。

「毛ヅヤが良く目力もあり、捕獲器の中で暴れ回るほど元気いっぱいでした。インターネットの記事などで見かける保護ねこは健康状態が悪く、体が汚れている子が多かったので、『え? 保護ねこって、こんなにきれいで元気なものなの?』とびっくり。どこかのおうちから脱走したか捨てられたのかもしれないと思い、まず飼い主さんを探すことにしました」

 飼い主さんは、子ねこの保護を愛護センターへ届け出ると同時に、インターネットで子ねこの迷子情報をくまなくチェックしました。ところが、丸3日経っても有力な情報を得ることができなかったため、おうちにお迎えすることを決意しました。

ぴょん吉くんの写真に寄り添う、保護当初のソングくん【写真提供:保護猫のソングくん♪(@pyonkichi_note)さん】
ぴょん吉くんの写真に寄り添う、保護当初のソングくん【写真提供:保護猫のソングくん♪(@pyonkichi_note)さん】

 実はソングくんと出会う8か月前、飼い主さんは、先代ねこでアメリカンショートヘアの男の子「ぴょん吉」くんを虹の橋へ見送ったばかりでした。ソングくんを保護したとき、「先代ねこが姿を変えて戻ってきてくれた」とうれしく思っていたといいます。

「おそらく先代ねこが“NNN”(編集部注:“ねこねこネットワーク”の略で、ねこが優しい人間を見つけて飼い主となる人を発掘する組織のこと)に依頼し、元気な子ねこを送ってくれたものの、道に迷って近所の空き家にたどり着いたのではないかと思っています」