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男性の更年期障害で離婚危機に陥った40代夫婦に話を聞いた 「突然、家族の何もかもがイヤになりまして」と夫

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

写真はイメージです【写真:写真AC】
写真はイメージです【写真:写真AC】

「また一緒に暮らしたい」と言う夫 「おかしい」…病院で検査を勧めた妻

敏行「不思議なことに、これまたある日突然、家族が恋しくなったんです。慌てて妻に連絡し、『また一緒に暮らしたい』と言いました」

純子「こちらとしては、息子の学校のこともありますし、とてもじゃないけど急に一緒に暮らすなんてできないと答えましたよ(笑)。それに第一、またいつあんな態度になるのか……。信用ができませんよね。なので、ちょっとおかしいから病院で調べてきてって頼んだんです」

敏行「私はすぐにでもまた妻子と暮らしたかったですし、まさか自分が病気なはずはないと思っていたんです。でも、『おかしい』と言われるとどこか怖くて、なかなか病院へ行く勇気が出なくて……。結局、妻に受診を勧められてから2、3か月後にやっと重い腰を上げました」

 脳を中心に様々な検査を受けたという敏行さん。しかし、いたって健康状態。一点、医師から指摘されたのは「ホルモンバランスの崩れ」だったそうです。

敏行「更年期症状の可能性がある、と医者に言われて驚きました。『更年期』って女性だけの症状だと思っていたんですよ。まさか男の俺がなるなんて……と。しかも、まだ40代ですよ」

男性の更年期障害と判明 どこか安堵した妻 家族で再び暮らすことに

純子「その日、検査結果を聞きに行くって言っていた夫からなかなか連絡がかかってこないから、その夜電話をかけてみたんですよね。そうしたら呆然とした口調で『更年期だった』と言われて……。笑うところじゃないのに、思わず笑っちゃいました」

敏行「いや、思わずというより、ゲラゲラ大笑いしていましたよ。ショックを受けている俺に対して、本当にひどい……」

純子「いや、だって将来のこととか、息子の学校のこととか、あんなに悩んで悩んで。色んな苦労があったので、どこか本当に安堵したんです。それに以前、夫の母から聞いたことのあった更年期症状とまるで同じだったことにも驚きで」

敏行「どうやら私の母にも、家族が嫌いで嫌いでどうしようもなくなった時期があったそうなんですよ。その頃には私は家を出ていましたし、父も出張が多くて、特に問題にならなかったようなんですね。最近になってですが、自分も更年期障害の症状があったようだ、という話を母にしたところ、母も男性にも更年期があることを知らなかったそうで、ずいぶん驚いていました」

純子「とにかく原因がわかって、ほっとしたのが正直なところでした」

 その後、無事に純子さんと息子さんが家に戻り、ふたたび平穏な生活を手に入れた敏行さんご一家。今回の体験を振り返り、次のようにまとめました。

敏行「当時はあまり自覚症状がなく、今思い返すとなぜ家族に対してあれほど横柄に振舞えたのだろうと怖くなるほどです。誰しもに現れる症状ではありませんが、男性にも更年期があり精神的におかしくなることもある、ということをできるだけ多くの男性に知ってもらいたい。そう思っています」

純子「夫の例でもそうですが、身体的な不調ではなく、分かりにくい形で更年期症状が出てしまうことがあるようです。これまでの自分と大きく違う感覚が生まれたり、周囲から『おかしい』『変わった』など言われた場合は、男性でも一度更年期を疑ってみることをおすすめします。家族が離れ離れになってしまっては遅いですから……」

(和栗 恵)

和栗 恵(わぐり・めぐみ)

恋愛コラムニスト・ライフスタイルライター。1970年東京都生まれの B型。雑誌、ウェブ、ドラマCD、ゲームシナリオ制作など、さまざまな媒体を手がける。男女の本質的な違いに着目した独自の恋愛論・結婚論を、ティーン誌、青年誌、ママさん向けウェブなどで展開中。著書にA型夫とB型妻との生活を描いた「毎日がグチLove B型妻 VS A型夫(笠倉出版社)」、「そして、ありがとう…ー犬とわたしの12の涙ー(日本文芸社)」などがある。