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外泊しても言い訳しなくなった夫 結婚15年で離婚を決意した女性がまずやるべきこととは 税理士がアドバイス
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ゴルフ会員権など知らなかった財産が見つかる場合も
探し方としては、通帳が手元にあればその履歴を確認してみましょう。生命保険料の引き落とし、ゴルフ会員権やリゾート会員権などの管理費等の支払い、証券会社への資金移動などから、知らなかった財産が見つかることもあります。
また、配偶者宛ての郵便物なども、送り元をチェックすることで取引のある金融機関がわかったり、お金の積み立てなど思わぬ財産が見つかったりすることもあります。夫の給与明細や源泉徴収票・確定申告書なども入手しておきましょう。確認した財産は、もれなくリストアップ。コピーを取るなど証拠を残しておきましょう。
○集めておきたい証拠資料
・すべての預金通帳
・夫の給与明細(自営業の人は確定申告書、会社経営している人は法人の決算書も)
・不動産の登記簿謄本、固定資産税の納税通知書
・すべての証券口座の明細
・生命保険や個人年金などの証券
・自動車の車検証
・ゴルフ会員権やリゾート会員権
・家財道具や貴金属・骨董品・絵画などは写真を撮っておく
・ローンの返済表 など
不動産や自動車、ゴルフ会員権など値段のわかりにくい財産は、査定などで現時点の評価額を把握しておきましょう。
ちなみに、自分名義の財産でも、婚姻後に蓄えたものは財産分与の対象になります。財産分与の対象とならない「相続でもらった財産」や「婚姻前の財産」はしっかり分けて管理したいところです。
離婚後の財産分与には、基本的に課税されることはありませんが、不動産を財産分与した場合は所得税がかかる可能性があり、注意が必要です(不動産の財産分与については、今後の連載で説明していきます)。また、あまりにも多すぎる財産分与は、贈与税の対象になる場合も。
このように、財産分与ひとつとっても、時間と労力がかかります。悔いのない離婚をし、少しでも離婚後の生活を豊かにするためには、じっくりと準備をすることが大切です。
(板倉 京)
板倉 京(いたくら・みやこ)
1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。