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「ネコババ」の正体とは 「借りてきた猫」や「猫をかぶる」など猫の習性が由来の言葉

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

「借りてきた猫」や「猫をかぶる」 猫の特性が由来

やや警戒している様子の猫(写真はイメージ)【写真:写真AC】
やや警戒している様子の猫(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 このほか、猫の特性を例えに用いた言葉も。猫は、環境の変化に敏感で、自分の縄張り以外の場所では不安を感じやすく、警戒する特性から、いつも通りにふるまえません。「借りてきた猫」とは、普段にぎやかな人が、緊張していつもと違っておとなしくしている様子を指します。

 また、同じような表現に「猫を被る」という言葉が。猫は、ネズミなど小さな動物を狩る荒々しい面がありますが、普段はそんな素振りを見せません。このことから自分の意思や本性を隠し、おとなしそうに見せかけることを「猫を被る」と言うようになりました。

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu

猫の因縁相手? ネズミとセットになった言葉も

 猫が十二支(干支)に含まれていない理由について、よく知られているのは「ネズミに騙された説」でしょう。神様が「先着順で十二支を決める」とした日を、ネズミが猫にわざと1日遅れの日付を伝えた説です。当然、猫は約束の日に到着できず、十二支入りを果たせませんでした。そのことから、猫はネズミを追うようになったとか。

 猫とネズミを合わせた言葉も多く受け継がれています。主なものを紹介しましょう。

○鳴く猫は鼠を捕らぬ
「よく鳴く猫はあまりネズミを捕らず、ネズミを捕る猫は鳴かない」といわれたことに由来。おしゃべりな人ほど、口先だけで実行力がない、仕事をしないといった意味で使われています。

○窮鼠(きゅうそ)猫を噛む
「追い詰められたネズミが猫に噛みつくこと」に由来。どんなに弱い者でも、窮地に立てば反撃に出るという意味です。もともとは「窮鼠も狸(り)を噛む」といわれ、「狸」は山猫を意味するとの説も。

○猫の額にあるものを鼠が窺う
「猫のすぐ近くにあるエサをネズミが狙う様子」に由来します。大胆不敵で身のほど知らず、大それた望みを抱くことを指す言葉。また、不可能だと思われることを試みるという意味もあります。

【参考】
「たのしいことわざ」北村孝一監修(高橋書店)
「日本俗信辞典 動物編」鈴木棠三著(角川ソフィア文庫)

(鶴丸 和子)