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「路上飲酒は規制すべき?」渋谷で掲げたゼロ宣言、2000人調査で見えたマナー問題
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日本の屋外での“飲酒文化” お花見は奈良時代から
そもそも日本では、花見のように公共の場でお酒を飲む行為が容認されている場面もあります。経済学者で、お酒の歴史や文化に詳しい一橋大の都留康名誉教授によると、日本における花見の始まりは奈良時代にまでさかのぼるといいます。
「平安時代までは貴族の行事でしたが、鎌倉時代になるとこれが武士の間にも広まり、豊臣秀吉が盛大な『醍醐の花見』や『吉野の花見』を主催。庶民の間に『花見酒』の宴会が普及・定着したのは江戸時代と言われています」
花見を始め、公共の屋外で酒をたしなみながら季節を感じる行為は、古くから日本に受け継がれてきた独自の飲酒文化といえるでしょう。しかし、この風流を楽しむ大人のたしなみも、時代の流れとともに変化してきています。節度やルールを守って屋外での飲酒を楽しむ人もいる反面、一部の迷惑行為による負のイメージもぬぐえません。
路上など公共の場での飲酒 規制はケースバイケースの意見も
「路上や公園での飲酒に規制を設けるべきだと思いますか?」という質問では、「はい」が74%、「いいえ」が10%、「わからない」が16%という結果に。アメリカやカナダ、欧州諸国など、公共の場での飲酒に厳しい規制を設けている国もありますが、「路上など公共の場での飲酒を禁止・制限している国・地域が多いことをご存知ですか?」という質問では、「はい」が65%、「いいえ」が35%で、およそ3人に1人が、日本が国際的に見ても規制が緩いと知らないことが明らかになりました。
自由回答では「『公園での飲酒』にお花見も含まれるのであれば、それは許容されるべきと思う」「路上はよくないが公園ならばよい」「ごみを持ち帰り、他の人に迷惑をかけない限り良い」「節度を守っていれば問題ない」と条件つきで肯定する意見や、「みっともない」「モラルに欠ける」「治安悪化につながる」「飲んでない人にとってはすごい迷惑!」「子どもに悪影響」などの否定的な声も。
全体では、「花見やお祭りでは許容すべき」「時と場所によってケースバイケース」という主張が大半を占め、「ある程度のルールや規制は必要」との声が多く寄せられました。