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英国の面接は日本と似ている? 言葉の壁やビザ問題 海外在住者が見つけた解決の糸口とは
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長く続く円安や国際的な賃金差から、日本を出て海外で働く人が増えています。いつか挑戦してみたいと思いながらも、実際に海外で職を探すためにどのようなことを準備すればいいかわからないという人も多いでしょう。ひょんなことから英国に移住、就職し、海外在住歴6年を超えたMoyoさんが外国暮らしのリアルを綴るこの連載。第7回は、英国での就職面接についてレクチャーします。
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問われるのは経験と専門性
「経験が物を言う」とはよく言いますが、こちら(英国)では実力・経験主義です。また、専門性が問われるとつくづく思います。日本のように大学での専攻と実際の職業が直結していないケースは珍しく、応募の必須条件として専門学士号が挙げられてることもあります(もちろん職によりけりですが)。
私もご多分に漏れず、日本では自分の専攻とあまり関係ない総合出版社に就職していますが、選考中に深く問われることはありませんでした。実際に、日本の職場には外国語学部出身も法学部出身もいました。それにジャーナリズムが絶対必須ということはありませんでした。
ですが、こちらでぶつかったのはその必須条件です。学位、専攻はもちろん実務経験も重視されるので、一気にハードルが高くなります。先ほど挙げたように、事細かに仕事内容が羅列されているのも納得がいきます。
学士を新たに取得するのは難しいかもしれませんが、軸になる経験をいろいろと積んで「私はこの経験・専門性があります!」と言えるようになっていると、職探しがしやすくなるように思います。たとえ日本と英国で国は違えど、培ってきた経験をアピールできるようにしておくといいかもしれません。
立ちはだかるビザ問題
また、英国での仕事探しで必ずぶつかるのがビザ問題です。YMS(Youth Mobility Scheme)ビザでオフィスワークを探すとなると、やはり条件が難しいこともあります。というのも、問題となるのは期間。
日本語を話せる仕事を取り扱っている転職エージェンシーの紹介などですと、求職者側のビザ制限を設けていることに気づきました。企業側が、短期で勤める人よりも長く勤められる人を探したいのは当たり前です。
すでに永住ビザを持っている人はもちろん、駐在などに帯同している人を探しているのが一般的です。YMSビザでも応募OKなところをたまに見かけますが、ビザが残り1年~1年半ないとダメなど、期間に制約があるのがほとんどだと思います。
友人の職場には、YMSビザを獲得したと同時に日本にいる間から仕事探しをスタートして、丸々2年働けるように渡航する強者もいたとか。
私はとりあえず英語に自信がありませんでしたし、野垂れ死にしないために、また英国の暮らしを知るためにも、最初は接客業のアルバイトから始めました。ですが、いざ本格的に職探しを始めて、このような条件があることをだんだん理解してきたとき、ビザの制約や残り期間に焦って自分のアプローチを後悔する気持ちも生まれました。
もっと早く仕事探しを始めていたら、最初からオフィスワークだけに絞っていれば……など、頭をよぎったのは“たられば”だらけ。でも、過ぎた時間は戻せませんし、どんな仕事も英国での暮らしを知ることや、英語を使った仕事をとにかくすることに慣れるのに大事だったという強い気持ちも生まれました。
新しい生活を構築するまでには、人それぞれのペースがあります。先ほど例に挙げた友人の同僚並みの用意周到さではなくとも、どの経験も無駄にはならないという強い気持ちで動き続け、仕事探しを続ける気力を保ってください。