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“おひとり様”の終活 生きているうちにまずやるべきことは 税理士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

ただでさえ大変な死後の事務処理。両親や子どもがいない独身者が亡くなると起こることとは…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ただでさえ大変な死後の事務処理。両親や子どもがいない独身者が亡くなると起こることとは…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 独身者が増え続けている日本。たとえ結婚していても、離別や死別で独身に戻ることも少なくありません。両親も子どももいない“おひとり様”で最期を迎えたとき、いったいどのような問題が起こるのでしょうか。豊富な実務経験がある税理士でマネージャーナリストの板倉京さんが解説します。

 ◇ ◇ ◇

突然亡くなる人は10~20%も

 こう言ってはなんですが、人間は誰でも最後は死にます。自分がいつ、どんな死を迎えるかは誰にもわかりません。

 余命宣告を受けてある程度準備する期間があるかもしれないし、事故や病気で突然死んでしまうかもしれません。統計によると、死亡する人のうちの10~20%は突然死だといいます。

 もし、独身で両親も子どももいない“おひとり様”が突然亡くなると、どのようなことが起こるのでしょうか。親友が突然死し、困り果ててしまった美紀さん(仮名・50歳)のケースをみてみましょう。

死後の手続きは驚くほど煩雑!

「親友の由美(仮名)が職場で倒れて、突然亡くなってしまったんです。由美は独身で、ご両親はすでに他界。弟さんがいるんですが、海外に住んでいるらしくて連絡が取れません。私でもできる手続きはしてあげたいと思うのですが、相続人じゃないとダメだと言われることばかりで。どうすればいいのかわからなくなってしまいました……」

 美紀さんがお困りの通り、“おひとり様”が亡くなったあとの手続きで残された人が困ることは、とても多いです。

 人がひとり亡くなったあとには、実に多くの処理が必要です。ざっと挙げるだけで次のようなことがあります。これらの処理がとても大変なのです。

死亡届の提出は死後7日以内など、限られた時間でやらなければいけないことがたくさんある【画像:板倉京】
死亡届の提出は死後7日以内など、限られた時間でやらなければいけないことがたくさんある【画像:板倉京】

 ましてや、相続人以外の人が行うとなれば相続人からの委任状が必要になるなど、どれだけ手間がかかることか! こんな面倒なことを自発的に、しかも無償で誰かにやってもらうなんて、申し訳なさすぎると思いませんか。

 子どもや配偶者がいたら、亡くなったあとの手続きを事前に頼んでおかなくてもなんとかしてくれるかもしれません。でも、“おひとり様”には「頼まれなくても私に任せておいて!」という人は、ほぼいないのではないでしょうか。

「自分が死んだあとのさまざまな手続きのことなんか、考えてもいない」という人は、その考えを改めていただきたいと思います。自分の死後に必要な手続きや、誰が対応してくれるかなどを見直してみてください。