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“おひとり様”の終活 生きているうちにまずやるべきことは 税理士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

まずはエンディングノートを作成

市販のエンディングノートを埋められるところから書くのも一手(写真はイメージ)【写真:写真AC】
市販のエンディングノートを埋められるところから書くのも一手(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 第一歩は、エンディングノートを作ることです。

 エンディングノートは高齢者が書くものと思っているかもしれません。しかし、働く世代の人にとっても、エンディングノートを書くことは大切。普段なかなか考えないけれど、実は考えておいたほうがいいことに向き合うことができます。

「どんな財産があるのか」「どんな保険に入っているのか」「パソコンや携帯のパスワードは?」「どんな人とつきあっていたのか」「解約するべきクレジットカードは?」「お葬式はどんな規模で誰に来てほしいのか」「誰に財産を残すのか」などです。

 書き始めると、自分のことでもいろいろ調べなくてはいけないことが多く、手間がかかるとわかると思います。また、誰に財産を残すのか、どういった葬儀を希望するのか、お墓はどうするのかなど、自分の希望がわからなければ手続きが進めにくいこともたくさんあるということもわかっていただけるでしょう。

 万が一のことは、いつあっておかしくありません。“おひとり様”の場合、両親が健在のうちは親がなんとかしてくれるかもしれません。しかし、遅くとも両親が亡くなったタイミングを目安に、自身の死後のことを考えておく必要があります。

 市販のエンディングノートは、書くべき内容が網羅されているのでとても便利です。完璧にしようと思うと途中でくじけてしまいますから、必要な部分や書きたいところを埋めるといった気軽な気持ちで書き進めていけばいいと思います。

 財産の内容は変動がありますし、葬儀などさまざまな希望についても、気持ちの変化が起きることもあるでしょう。誕生日など、可能であれば一年に1回「エンディングノートの日」を決めて見直すといいと思います。

(板倉 京)

板倉 京(いたくら・みやこ)

1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。