育児・家族

実録・認知症の父の免許返納 失効手続きで病院検査へ 説得し続けたアラフィフ娘の思い

著者:和栗 恵

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写真はイメージです【写真:写真AC】
写真はイメージです【写真:写真AC】

 認知症と診断された父。免許の返納をさせようとしたのですが、「俺から仕事を奪う気か!」「俺をいじめて楽しいのか!」と、父本人は大反対。ほとほと困っていたときに警察に相談し、免許の返納ではなく「失効」をする手続きがあることを知りました。前回は、失効手続きに入るところまでをご報告させていただきましたが、今回はその続編をお届けします。

 ◇ ◇ ◇

指定の病院へ父を連れていくと、担当の警察官の方が

 10月中旬。警察庁からあらかじめ指定があった、東京都内にある病院へ父を連れていくことになりました。検査の時間は朝の9時から。早朝から夫の運転する車で実家に向かい、父に着替えをさせて外出。高速道路を使い病院へ向かいました。

 久しぶりの外出に、うれしそうな笑顔を浮かべる父。

「ああ、高速道路を走るなんて久しぶりだなぁ」
「あの建物、昔はもっと違う形だったんじゃないか?」

 父の記憶の引き出しが開きます。こうやって話しをする父は、昔のままの父です。5分後にまったく同じ言葉を繰り返すことを除けば……。

 到着した病院の受付で、担当の警察官の方と合流。受付だけしてくださるのかと思いきや、その後のお話を聞いてびっくり。なんと私たちのために、わざわざ付き添ってくれるというのです。

「今日の検査は、半日くらいかかると思います。最後まで僕が立ち会いますから、お父さんも、お嬢さんも、あまり気負わずにいてくださいね」

 そんな優しい言葉をかけていただき、ホッとしたのを覚えています。