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どうぶつ

「全盲ねこを家族にしています」 日向ぼっこ中になでなで 幸せそうに眠る元保護ねこに反響

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

飼い主さんなでなでされて気持ち良さそうな光ちゃん(画像はスクリーンショット)
飼い主さんなでなでされて気持ち良さそうな光ちゃん(画像はスクリーンショット)

 気持ち良さそうな表情で、飼い主さんになでなでされている1匹の元保護ねこ。実は、子ねこの頃にかかった猫風邪が原因で目が見えません。しかし、飼い主さんを信用し、身を任せきっている様子から、“ふたり”が特別な絆で結ばれていることが伝わってきます。X(ツイッター)で注目を集めた投稿について、飼い主のeasy_going_myway(@zs41wz3PHyRO0zf)さんに詳しいお話を伺いました。

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目が不自由なねこ 窓辺でお昼寝する姿が話題に

「全盲ねこを家族にしています」

 そんな書き出しのコメントとともに公開された動画には、窓辺に置かれたベッドで気持ち良さそうに眠るねこが映っています。

 飼い主さんが手を伸ばして頭をなでなですると、ねこは振り返りました。そして、温かい手の感触を堪能するかのように、幸せそうな表情を浮かべます。

 この動画がXで公開されると、1000件を超える“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「日向ぼっこ気持ちいいね かわいいベッドだね」「ぬくぬくふわふわで気持ち良さそう」「ポカポカ気持ちいいね」など、愛らしい姿にほっこりする声が寄せられています。

猫風邪をこじらせて全盲に 懸命に生きる光ちゃん

ソファでくつろぐ光ちゃん【写真提供:easy_going_myway(@zs41wz3PHyRO0zf)さん】
ソファでくつろぐ光ちゃん【写真提供:easy_going_myway(@zs41wz3PHyRO0zf)さん】

 動画に登場するのは、元保護ねこの女の子で推定年齢1歳7か月の「光(ひかり)」ちゃん。光ちゃんを保護した、愛知県瀬戸市を拠点に活動する非営利団体「ちーむにゃいず」の代表者さんが名付け親です。「目は見えなくなってしまったけれど、光輝く“猫生”を送ってほしい」との願いからつけられました。

 光ちゃんが保護されたのは2022年5月。商店街でさまよっているところを、同団体のボランティアさんが発見したそうです。生後推定1か月で、猫風邪のため目ヤニでまぶたがふさがった状態でした。

「当時、私はその団体でミルクボランティアとして、常時10匹前後の乳飲みねこを育てていました。団体の連絡用SNSで光のことは知っていましたが、家にいる子たちのお世話だけで手一杯。そのなかには目が見えているか定かではない子もいて、病院で診察を受け経過観察をしながら、夫と『もし目が見えないままだったときはお迎えしよう』と話していました」

 飼い主さんがお世話していた子ねこたちは、無事に里親が決まり、飼い主さんの元を旅立っていきました。飼い主さんはふと、光ちゃんのことを思い出し「今、どうしているのだろう?」と気になるように。里親探しの厳しさを目の当たりにしてきた飼い主さんは、必死で生きる光ちゃんに対して思いが込み上げたといいます。

「障害を持ったねこに、譲渡会で目を向けてくれる人はいません。私は、目が見えないままかもしれない子ねこをお迎えしようと決心したことがあったので、光を家族として迎え入れることにまったく葛藤がありませんでした。心配事があるとすれば、『私に育てられるのだろうか?』という不安だけだったように思います」

 その後、光ちゃんが全盲になったことが発覚。猫風邪をこじらせて発症した網膜剥離でした。すぐに病院を受診したものの、そのときはまだ生後間もなくで手の施しようがなく、猫風邪の治療を優先することに。猫風邪は治ったものの、視力は失ってしまいました。

「猫風邪が治ってから、眼科専門病院を受診することも考えました。ところが、すでにまぶたが4分の1くらいしか開いていない状態だったため、『専門病院に行っても治療することはおそらく無理でしょう』と言われ、今に至ります。もし保護されていなければ、カラスに襲われたり、交通事故に遭ったりして、今の光は存在してなかったと思います」