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からだ・美容

手軽にたるみ解消できると人気の「糸リフト」 ダウンタイムはどれくらい? 注意すべき点を医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

ひきつれ、筋が出る、皮膚がでこぼこする 3週間以上続くなら相談を

 効果をすぐに実感できる、若返ったといううれしい声がある一方で、糸の筋が見える、針穴から糸が出てきた、顔がでこぼこしてしまったという残念な例も少なからずあります。前述の通り、糸で引っ張り上げていますから数日は違和感があるものです。しかし、時間が経てばなじんで落ち着いてきます。

 3週間~1か月も違和感が続くようであれば、その状態がずっと続く可能性がありますので医師に相談をしてください。ひきつれやでこぼこを抑える処置をしてくれるはずです。

 それでも相談したときに、「よくあることですから」「時間が経てば治まりますよ」などときちんと対応してくれない場合は、セカンドオピニオンとしてほかのクリニックに相談をしてください。なんらかの対応ができるはずですので、仕方ないと諦めないでください。

手軽にできるからこそ、説明をよく聞き納得できてから施術を

 簡単に顔が引き上がるという宣伝文句に飛びつく人も多いでしょう。確かに、メスを使うフェイスリフトよりも手軽ですし、効果も実感しやすいので糸リフトを求めてクリニックにいらっしゃる人は増えました。

「可能な限り引っ張ってください」「先生にお任せします」と、説明をほとんど聞かない人もなかにはいらっしゃいます。糸リフトにもできる限界がありますし、その人の脂肪の量やたるみの状態によって方法は変わってきます。

 予防的にやりたいという人もいますが、それならばレーザーを使った治療のほうがいい場合もありますし、本当にキュッと引き上げたいなら切開をするフェイスリフトのほうが効果は高く、持続性もあります。

「こんなはずじゃなかった……」とならないように、きちんと説明を聞き、気になること、不安なことは施術前に解決しておきましょう。

 施術後のトラブルを避けるために、みなさんも基本的な情報、知識を持ってクリニックを訪れてください。もちろん、私たち医師にもしっかりと説明する義務と責任があります。「なんでもいいから」「とにかく引き上げて」という要望があっても、できないことはお断りする場合があります。

 医師の説明を聞いても不安が解消されないときは、当日に施術を受ける必要はありません。カウンセリングだけでも大丈夫なので、安心してください。

 きれいになりたい、若々しくいたいという気持ちばかり先行して、リスクや違和感に目をつぶってしまわないようにしてください。私たち医師もみなさんが理解し、完全に納得できるまでわかりやすく説明していきます。

(岩淵 美樹)

佐藤 卓士(さとう・たかし)

1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。