からだ・美容
白玉点滴やニンニク点滴…美容点滴の効果と注意点は? 美容形成外科医が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
海外セレブが火つけ役となり、肌が白くなると話題になった白玉点滴(グルタチオン点滴)。日本でも芸能人やモデル、インフルエンサーたちが美肌のために美容点滴(注射)を取り入れているという話を聞きます。アンチエイジングや疲労回復、ダイエットなどにも効果があるといわれていますが、本当のところはどうなのでしょうか。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は、美容点滴について美容形成外科の佐藤卓士医師に伺いました。
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不足しがちな栄養や美肌に欠かせない有効成分を体内に直接投与
美容点滴は、疲労回復や免疫力アップ、美肌に導く成分を血管内に直接注入することで、体の内側から健康で美しい体に導くサポートをするものです。サプリメントなど経口摂取するものは、胃腸で分解されるため体に吸収される量が限られてしまいます。また、一度に摂取できる量にも限界があるもの。点滴や注射は血管に注入するので有効成分が全身に行き渡り、より早く効果を実感できます。
問診で持病やアレルギーについて確認したあと、問題がなければその日のうちに施術ができます。針を刺すときにチクッとした痛みや、点滴中の血管痛が起こる場合もありますが、一時的なものなので過剰に心配する必要はありません。これまで重篤な副作用は報告されていません。施術後にまれに頭痛やめまいが起こることもありますが、徐々に回復していきます。気分が悪くなったときは、医師や看護師に必ず伝えてください。
アンチエイジングや更年期障害の軽減にプラセンタ点滴
プラセンタはヒトの胎盤から抽出したもので、成長因子やアミノ酸、ミネラル、ビタミンなどさまざまな成分を含んでいます。もともと赤ちゃんの成長に必要なものなので、栄養が豊富なのです。
このヒト由来のプラセンタエキスは、肝硬変など肝機能障害や更年期障害の治療薬として用いられています。多くの栄養素を含み、女性ホルモンや自律神経のバランスを整える働きや血行促進、新陳代謝の向上、抗炎症作用も期待できます。
成長因子を含むため肌の老化を防ぎ、若々しさを保つことにもつながります。肝機能障害の治療薬として認可されているものなので、肝臓の働きを促し、疲労回復にも効果的です。
肝機能障害や更年期障害の治療として用いる場合、条件を満たせば保険適用になるので医師に相談してみましょう。
効果の持続期間は個人差がありますが、2~3日程度です。最初は週2回行い、2か月ほどすると効果が実感でき調子が上向きになってきますので、週1回のペースで行うといいでしょう。継続して行うことで、より良い効果が得られます。
しかし、プラセンタ点滴(注射)を一度でも受けた方は、献血ができませんので注意してください。