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「京都でやりたいというのは、とてもわかる」 スペイン人が京都で遭遇した特別な場面とは
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その土地ならではの風景や文化と接するのは、旅の醍醐味。外国人観光客も日本でしか見られない景色や、歴史、伝統文化を感じるものに強く惹かれています。東京・渋谷で出会ったスペイン人カップルは、京都で思いがけない場面に遭遇し、とても感慨深い気持ちになったようです。いったい、どんなものと出会ったのでしょうか。
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「スペシャルな機会に行きたいと思うのは、とても理解できる」
海外映画にも現代の東京を象徴する風景として登場し、外国人観光客に大人気の渋谷・スクランブル交差点。そこで出会ったのが、バルセロナから初来日したスペイン人のロジャーさんとザネットさんです。
すでに大阪、京都、奈良、広島、高山を訪れたふたり。ロジャーさんは最も魅力を感じた土地に奈良を挙げ、初めて見た東大寺の大仏に「思っていたよりはるかに大きくて驚いた」と語りました。
では、一緒に旅をしてきたザネットさんはどこが一番気に入ったのでしょう。
「私は京都かしら。祇園で舞妓さんを見ることができたの。ほかの都市では見ることはないでしょう? それもあって本当に印象深かったわ」
花柳界は京都以外にもあり、芸妓(げいこ)や芸者といった呼称は共通していますが、修行中の少女の呼び方が「舞妓」なのは、一般的に京都のみ。ほかの土地では半玉(はんぎょく)と呼ばれます。
日本各地にある花街と呼ばれるエリアでも、芸者や半玉の姿を見ることはできますが、祇園のような頻度で遭遇する機会はなかなかないうえ、「舞妓さん」といえば京都ならでは。
そんな日本らしさを感じる体験ができた京都で、さらに特別な光景と行き合ったことをザネットさんが教えてくれました。
「街中で着物を着ている、結婚式のカップルも見たの」
紅白のコントラストが美しい華やかな色打掛の花嫁と、紋付袴姿の花婿。日本の伝統的な婚礼衣装に身を包んだふたりは、まるで絵画のようです。日本人でも思わずカメラを向けたくなるシーンに、スペイン人のふたりも感銘を受けたといいます。
「結婚式を京都でやりたいというのは、とてもわかる。なんていうのかな……東京は日本という感じなんだけど、京都は日本の原点という感じがするんだ。人生のスペシャルな機会に京都へ行きたいと思うのは、とても理解できるよ」
ロジャーさんはそう話し、見知らぬ日本人夫婦の新たな門出に、深い共感を覚えたようです。
(Hint-Pot編集部)