片づけ＆掃除のプロ・伊藤まきさんが、仕事先を訪問した際に感じることがあるそうです。それは「食器棚の掃除をしていない家庭がとても多い」ということ。扉や引き出しで中は見えないから、皿しか入っていないから……という理由で、ついつい食器棚の掃除を後回しにしがちです。しかし、数年間にわたってサボってしまうと、カビが根を張ってしまったり、ゴキブリやチャタテムシ、ダニといった害虫の温床になったりする可能性も。今年中にきれいにしておきませんか？

　◇　◇　◇

最低でも年に一度は拭き掃除が必要

　洗った皿や箸をしまうだけだから、きれいに違いない――そんな先入観があるためでしょうか。食器棚の中を長年、掃除していない家庭が多く見受けられます。

　しかし、食器棚の中は想像以上に汚れています！　汚れる理由はさまざまにありますが、気をつけたいのはカビや害虫。食器に残った湿気がカビの繁殖を促したり、扉があることで食器棚の中の温度が上がり、虫たちが快適に暮らせる環境が保たれてしまったりします。ほかにも、落とし切れなかった食事カスが棚の中に落ち、それをエサとしてゴキブリなどが繁殖してしまうことも。

　最低でも年に一度は中身を全部取り出して拭き掃除を行い、害虫の繁殖を防ぐようにしましょう。キッチンの見えるところはきれいにしているのに、食器棚が汚れていたら、害虫予防の面で意味がありません！

　食器棚を掃除する際は、アルコール除菌ができる掃除シートを使うのが便利です。布巾や雑巾で水拭きするだけの掃除は、菌を塗り広げるだけでなく、湿気が増えてしまいます。アルコール除菌シートなら素早く乾きますし、使い捨てなので清潔です。

　拭き掃除の際は、棚板だけでなく取っ手や扉の外側、戸棚の上部など手アカやホコリがつきそうな場所も、すべて拭き上げましょう。

　拭いたあとは、しばらく扉や引き出しを開けたままにして通気させ、しっかりと乾かしてから食器などを戻せばOK。少し時間はかかりますが、害虫予防と思えばやる気が出てきます！

　なお、掃除の際に中身を全部出すことで、使っていない食器やキッチンツールを判断することができます。まったく使わないものは処分し、ゆとりのある暮らしを手に入れましょう。

（和栗 恵）