生活に欠かせない家電のひとつ、電子レンジ。みなさんはどのように掃除していますか？　SNSなどでは、重曹やセスキ炭酸ソーダを加えた水を電子レンジで温めてから放置したあと、庫内を拭き取る……という掃除方法を見かけることも。とても有名なお手入れ方法ですが、お掃除のプロは「やめたほうがいい」と警鐘を鳴らします。なぜNGなのでしょうか。クリンネストの資格を持つ、掃除のプロ・伊藤まきさんにお聞きしました。

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電子レンジの汚れは「使ったらすぐに拭く」が最も効果的

　重曹水やセスキ水、クエン酸水を電子レンジに入れて温めるという掃除方法は、昭和～平成初期の「単機能電子レンジ（温め機能しかないもの）」には有効でした。しかし最近は、オーブンレンジやスチームオーブンレンジ（スチーム式、加熱水蒸気式）など温め以外の機能がついたものが多く、古い電子レンジと同様の掃除方法では故障の原因になることがあります。

　その理由は、庫内を覗くとよくわかります。多機能なものは、温風を出すために庫内にファンがあり、また、庫内に温風を循環させるためにたくさんの穴が開けられています。一方の単機能電子レンジは、基本的に庫内に穴がほとんど開けられていません。

　つまり、多機能レンジで重曹水をチンしてしまうと、重曹を含んだ蒸気が穴を通って内部に入り込んでしまい、重曹などの粉末が電子レンジ内部のデリケートなパーツを傷めることになりかねないのです。

　掃除方法については、説明書に記載されているのでその通りに行うのが一番です。また、掃除をする際はプラグを抜いてから行うようにしてください。

　なお、電子レンジをきれいに保つコツは、使ったあとすぐに掃除すること。庫内が熱を持ち、水分が残っているときにキッチンペーパーなどで拭き取れば、油汚れでも簡単に落とすことができます。電子レンジの近くにキッチンペーパーを用意しておき、こまめに拭き取るようにすると良いでしょう。

　多機能な電子レンジは単機能のものに比べて値段が高価です。故障を防ぎ、無駄な買い替えによる出費を抑えるためにも、重曹水などの加熱掃除はやめたほうが得策です。

（和栗 恵）