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元ソフトボール選手だった母との“親子鷹” 親元を離れて知った食事の大切さ
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プロ野球の埼玉西武ライオンズに所属する黒田将矢選手は、188センチの恵まれた体格の持ち主。しかし、子ども時代は「食べることが苦手」だったといいます。そんな黒田選手に、大好物の「ポトフ」を作るなど時には優しく、食べる量に「ノルマを課す」など時には厳しく接し、食生活の大切さを教えてくれたのが母・真奈美(まなみ)さんでした。「食べること」にまつわる子ども時代の思い出、また、プロ入り後に意識していることを黒田選手に聞きました。
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食生活に厳しかった母 練習にも付き添い“スパルタ指導”
黒田選手が野球を始めたのは、小学3年生の冬。そのとき、誰よりも喜んでくれたのが真奈美さんでした。高校時代まで地元・青森県内の学校でソフトボールの投手として活躍、中学時代は東北大会にも出場した経験があるほどの腕前です。
「野球をやると話したら、母は喜んでくれたのですが、その反面、厳しく接してくれるようになりました」
高校球児だった父親が息子に夢を託して……という話はよく耳にしますが、母親との“親子鷹”はあまり聞きません。ほぼ毎日、一緒に練習に臨み、ランニングのときも後ろから自転車で追走するなど「本当にスパルタな母でした」と苦笑いします。
黒田少年が「友達と遊びたい」と口にしてけんかになったことや、きつい練習に音を上げそうになって「自分で毎日やると決めたのなら、終わるまで家に帰ってくるな!」と厳しく言われたこともあったそうです。父・満さんも中学時代までは野球部でしたが、「むしろ父のほうが優しくて、僕が『練習がきつい』と漏らすと、『もうやめたら』と言ってくれるタイプでした」と振り返ります。
そんな真奈美さんはとくに、睡眠や食生活に厳しかったそうです。現在の恵まれた体格からは想像がつきませんが、黒田選手は実は「食べることが苦手だった」と明かします。
「とくに野球を始めてからは、『これだけは食べなさい』ってノルマを課されたりしたこともあって、正直いってあの頃はしんどかった。でも、そのためにマグロにオクラを入れたり、卵かけごはんにして食べやすいように工夫してくれたりしていたんだと思います」
トマトとマヨネーズが苦手で、牛乳もダメ。その分、ヨーグルトでカルシウムなどの栄養素を補って身長188センチまで成長したそうです。真奈美さんは日々、食べることの重要性を教えようとしていたのかもしれません。