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【とっておき日本再発見】リポート上手なアナウンサーが紹介 「どうする家康」で注目の駿府城の魅力とは

公開日:  /  更新日:

著者:日下 千帆

家康が愛した駿府城 足跡をたどってみては

城跡の発掘調査【写真:日下千帆】
城跡の発掘調査【写真:日下千帆】

 現在、公園の北東部では城跡の大規模な発掘調査が続いており、無料で見学することができます。晴れた日には、発掘現場から富士山の雄姿が見られることも。

 さらに駿府城の歴史を学ぶには、お堀を35分ほどで一周する遊覧船「葵舟」に乗るのもおすすめです(1人1000円)。船頭さんがユーモアを交えながら、石垣の造りについてなど築城の詳細を説明してくれます。

 駿府城は、家康による天下普請(ほかの大名の財力を消耗させるために行った築城・修理の命令)により、延べ10万人を使って7年かけて完成しています。葵船で周遊する二ノ丸堀は、東西・南北それぞれが約400メートル、一周およそ1.6キロ。春には800本の桜が石垣にしだれ、それはそれは美しいそうですが、空気の澄んだ冬でも自然の美しさが十分に楽しめます。お堀にはたくさんのコイが泳いでおり、鳥たちが小魚を狙って水面に舞い降りる姿が城壁をバックに映え、日本らしい景色を満喫できるでしょう。

 石垣も見どころたっぷりです。積まれた石をよく見ると、作業を命じられた各藩が間違いを防ぐためにつけた、記号のようなものが残っています。また、石垣の形にも注目。ずっと直線が続くわけではなく、数か所の角をつけた造りになっています。これは敵が襲来したとき、横にも矢を打てるように、わざと段をつけたのだそうです。

 船からは、日本古来の伝統工法にのっとって復元された、東御門やL字型の巽櫓も見ることができます。いずれも夕方になるとライトアップされるので、お堀端を歩いても幻想的な雰囲気を楽しめることでしょう。

 さて、遊覧船のクライマックスでは、橋桁の高さが80センチしかない北御門橋の下をくぐります。橋をくぐれるよう、船の屋根がぐんぐん下がってくるので、お客さんはみな頭を下げ、屈んだ状態で通り過ぎることに。みんなが体を折り曲げている姿は、きっと傍から見ると滑稽でしょうし、乗っている自分たちも笑ってしまいました。

 大河ドラマの放送を受け、静岡浅間神社の敷地内には「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」がオープンしています(大人400円、2024年1月28日までの限定開業)。訪れた日は日曜日の午後ということもあり、多くのファンで大混雑していました。静岡市では、今も家康フィーバーが続いているようです。

(日下 千帆)

日下 千帆(くさか・ちほ)

1968年、東京都生まれ。成蹊大学法学部政治学科を卒業後、テレビ朝日入社。編成局アナウンス部に配属され、報道、情報、スポーツ、バラエティとすべてのジャンルの番組を担当。1997年の退社後は、フリーアナウンサーとして、番組のキャスター、イベント司会、ナレーターのほか、企業研修講師として活躍中。