妻のバースデーのため、遠征中に奮闘

　外国人選手の多くは、日本人が想像する以上に家族思いです。もちろんメヒア選手もその例に漏れません。

「妻のバースデーに花束とバースデーケーキ、それとギフトを用意してもらいたいんだ」

　そう町田さんがオーダーを受けたのは、なんと誕生日の2～3日前だったそうです。しかも、チームは千葉（千葉ロッテマリーンズ戦）にいて、これから大阪（オリックス・バファローズ戦）へ向かおうとしているところ。さらに、「大阪のホテルの部屋に用意しておいて」といいます。

　町田さんとしても自宅に戻る余裕はなく、とにかくホテルに連絡を取って移動しながら、オンラインで花束とバースデーケーキだけはなんとか手配できました。しかし、問題はギフトの準備です。

　メヒア夫人もチームに帯同して一緒に大阪へ移動するので、ネタバレしてしまってはサプライズになりません。チームが移動する新幹線で新大阪駅に着くやいなや、町田さんはチームからひとり離れ、メヒア選手の代わりに指定されたお店へギフトを買いに走りました。そして無事に、宿泊先のホテルにギフトを託してから球場へ向かったといいます。

　晴れて、試合を終えたメヒア選手と夫人が帰り着いたホテルの室内には、花束とバースデーケーキ、そしてギフトがきっちりと用意されていました。

「さすがにあれは難しいオーダーでしたね」と町田さん。時間とプレッシャーに追われながらの演出に、メヒア選手からは感謝の気持ちが込められた「サンキュー！」が返ってきたそうです。

（芳賀 宏）