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「中トロだけを食べるんです」 球団通訳だけが知るプロ野球界の元“助っ人”たちの異常なこだわり
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インバウンドの外国人旅行客だけでなく、“助っ人”として日本のプロ野球界にやってくる選手もまた、日本食に興味津々です。人気は外国でも有名な「焼き肉」や「ラーメン」ですが、「寿司」は海外でも日本食の定番として広まってきました。プレーする場所に日本を選び、日本食まで気に入ってもらえるのは喜ばしいところですが、少し想像を超えていた選手たちもいたようです。埼玉西武ライオンズで2015年から通訳を務める町田義憲さん、2017年から務める小林俊太郎さんに話を伺いました。
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中トロしか食べないぺイトン選手 その異常な偏食ぶりに唖然…
2023年、西武に外野手として加入したのが米国出身のマーク・ペイトン選手。故障などもあり、思うように活躍できず1年で退団しましたが、町田さんが目撃した姿は衝撃的だったといいます。
場所は六本木の寿司店。「とにかく頼むのは中トロだけ」だったようで、その光景に驚いたそうです。
「30貫、40貫と中トロだけを食べるんです。しかも、グレイグースというウォッカをロックでひたすら飲みながら……」
よほど中トロが気に入ったのでしょうか? ほかにもおいしい寿司ネタはたくさんあるのに、ぺイトン選手が食べたのは中トロのみ。しかも、アルコール度数の高いウォッカを飲みながらというのも、日本人からすると不思議な組み合わせです。
うどんのだしになぜか異常な偏食ぶりを見せたクリスキー選手
「超がつくほどの偏食でした」。小林さんが教えてくれたのは、同じく2023年に途中から加入したブルックス・クリスキー選手。米国のメジャーリーグでプレーした経験があり、以前は横浜DeNAベイスターズでもプレーした米国出身の投手です。
「食べるのは鶏のむね肉とブロッコリー、たまにハンバーガーくらい。チームメイトと一緒に焼き肉を食べに行っても、ひとりだけ鶏肉を焼いて食べるような感じです。牛タンはもちろん、カルビさえ食べませんでした」
そんな見事なまでの偏食ぶりを見せるクリスキー選手。「寿司も焼き肉も、トライさえしようとしない」そうですが、やはりエネルギー源は必要です。そこで、試合前の食事として“ドハマり”したのが「うどん」だったといいます。
プロ野球の公式戦が行われる球場では、ビジターチームにも選手用の食事が用意されます。西武が所属するパ・リーグには北海道から福岡まで球団があるため、地域ごとの味を楽しめるのを楽しみにしている選手もいるはず。ところが、クリスキー選手にとっては、逆にそこが問題だったようです。
「なぜか、うどんのだしはしょうゆベースの関東風じゃなきゃダメだったんです」
たとえば、オリックス・バファローズの本拠地である京セラドームは大阪にあるので、もちろんだしは薄口しょうゆの関西風。遠征で訪れたとき、小林さんはクリスキー選手の衝撃シーンを目撃してしまったといいます。
「麺をゆでてもらったら、だしを入れずに、麺の上に七味をかけて食べていたんです!」
また、北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコンフィールドを訪れたときには「ここは関東風か? それとも関西風か?」と、うどんのだしを確認していたこともあるのだとか。食文化の違いから偏食ぶりを発揮する外国人選手を見慣れた球団通訳も、これほどの偏食には驚きを禁じ得なかったようです。