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ゴシゴシこすり洗いはNG 窓や水回りのコーキングに生えたカビ 正しい掃除法をプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

カビが生えてしまったコーキング(写真はイメージ)【写真:写真AC】
カビが生えてしまったコーキング(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 窓や水回りのコーキング(継ぎ目や隙間を埋めた目地剤部分)のカビは、一度生えてしまうと、カビ取り洗剤など強力な洗剤を使用しても復活してしまうことが多いので注意が必要です。スポンジでこするだけではカビが落ちず、たわしなどでゴシゴシとこすってしまっていませんか? こすることでコーキング自体が傷つき、そこに汚れが入ってカビが広がってしまうことも。正しい掃除方法と、根本からきれいにする方法を、整理収納アドバイザーでクリンネスト2級を持つ掃除のプロ・伊藤まきさんにお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

ゴシゴシ厳禁! カビ除去の基本とは

 水や汚れが入り込むのを防ぐために、水回りでよく使われているコーキング。これらに生えたカビを掃除する際に有効なのは、塩素系漂白剤やカビ取り剤です。

 塩素系漂白剤の場合は、気になる場所に泡を吹きつけたら、そのまま放置します(ラップを使ってパックすると、より強力にカビを退治することができます)。カビが消えたら洗い流すか、水をたっぷりと含ませた雑巾で繰り返し拭き取りを行いましょう。

 カビ取り剤を使用する際は、まずカビ以外の汚れをきれいに落としてから、塗布する部分をしっかり乾かしましょう。塗布後はカビが消えるまで放置し、塩素系漂白剤と同様に洗い流して仕上げます。カビ取り剤はとても強力なので、壁や天板など色が変わってしまいそうな部分はマスキングテープを貼って保護しておくのが肝心。また、いずれの場合も、しっかりと換気をしてから行いましょう。

 塩素系漂白剤やカビ取り剤を塗布したあとは、ブラシやたわしなどを使って、ゴシゴシとこすることは絶対にしないようにしてください。こすってしまうとコーキングに細かな傷がつき、カビが増える原因になってしまいます。

経年劣化時は早めの取り替えも肝心

 カビ取り剤を使用しても黒ずみが消えない場合は、残念ながらコーキングの奥のほうまでカビが浸食して根を張っている状態です。ここまでの状態になってしまったら、表面を漂白することはできても奥までカビを退治することができず、不潔な状態のままお風呂やキッチンを使い続けることになってしまいます。

 また、基本的にコーキングは寿命が10年程度といわれています。カビが落ちにくくなってきたな、コーキングが劣化して隙間ができてきたなと感じたら、コーキングの交換(打ち替え)を行いましょう。浴室であれば1~2万円ほど、キッチンは7000円~1万2000円程度で行うことができます。

 また、コーキングはご自身での打ち替えも可能です。YouTubeなどでも打ち替える方法を学ぶことができますので、試してみるのもひとつの手。コーキング剤は1本500円~1000円程度で購入できるので、プロに頼むより格段に安く済ませることができます。ただ、慣れていない方や不器用な方には難しい部分も多いので、不安に感じるようであればプロに任せるのが一番です。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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