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「お腹撫でてもいいよ」 相棒亡くした元保護猫 外出を阻止しようとする健気な姿にドイツ在住記者が苦悩した理由
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新しいことを始めるときは不安がつきもの。しかし、それ以上の喜びに出合えることもあります。ドイツで暮らすサッカーライターの島崎英純さんは、愛猫との別れを機に、ドイツ語の習得を決意。語学学校では、自分よりはるかに若い異国の友人と出会い、交流を楽しみながら授業に励んでいます。しかし、問題は山積み。一緒に暮らす“相棒”に、頭を悩ませることもあるようです。
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ドイツ語の習得 本気で向き合った4か月間
9月から4か月間、僕はドイツ語の習得に励んでいました。毎週月曜日から木曜日までの週4日間。毎回、仕事を終えたあとの午後5時半から9時までの約3時間半、語学学校へ通ってみっちり授業を受けてきました。
ドイツに住んで約4年が経過したにもかかわらず、僕は真剣にドイツ語と向き合ってきませんでした。その間の約2年半がコロナ禍だったということもあって、現地の人たちとなかなかコミュニケーションが取れず、それでも自分の仕事の領域では、なんとか英語と必要最低限のつたないドイツ語だけで乗り切れてしまっていたのです。そのため、腰を据えて現地の言葉を理解しようとはしてきませんでした。
また僕は、すでに“アラフィフ”に達し、「この年齢で、果たして他言語の習得なんてできるんだろうか」という漠然とした不安もありました。たぶん、語学学校で一緒に習うクラスの生徒は僕よりもずっと年下だろうし、なんだか気恥ずかしい思いもあったのです。
しかし、いざ学校へ通ってみると、クラスメイトは僕のことを単純にひとりの仲間として受け入れてくれました。予想通り僕が一番歳上だったのですが、20歳、あるいは30歳くらい歳の離れた仲間にファーストネームで呼ばれ、語学習得の苦労を分かち合ったり、覚えたてのドイツ語でお互いの近況を話したりする環境を、心底幸せだと感じました。
陽気で優しい仲間たちとの出会いに感謝
ドイツ語の語学学校へ通う生徒の国籍は、本当にさまざまです。アゼルバイジャン人のオルカンは日本文化が大好きで、とくに刀に興味があるらしく、いつも僕に刀の素晴らしさを力説します。エジプト人のアハメッドは、弱冠19歳の若さにもかかわらず、昔の日本の漫画やアニメが大好き! 自分で描いたイラストを僕に見せて、「うまく描けているかなぁ」と言ってはにかむ姿は初々しい少年のようです。
インド人のラウムは、いつも笑顔で朗らか。「調子はどう?」と、常にこちらを気にかけてくれるナイスガイです。僕が「本場のビリヤニが食べたいなぁ」と言うと、「だったら、僕の家に来なよ! 僕が料理してあげるから!」と、本場仕込みの絶品のチキンビリヤニを食べさせてくれました。
ともにドイツ語を学ぶ同志として、こんなふうに深く親身な関係性が築けるなんて、語学学校へ通う前は想像すらできませんでした。