Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

引っ越しで気を付けるべき3つのポイント 業者とのトラブルを回避するためには?

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

慣れない引っ越しでトラブルに遭わないようにするにはどうすればいい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
慣れない引っ越しでトラブルに遭わないようにするにはどうすればいい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 引っ越しシーズンが到来。新生活を気持ち良く迎えるためにも、スムーズに済ませたいところですよね。しかし、独立行政法人国民生活センターの発表によると、引越し作業中に荷物を破損された・紛失されたなどの相談は、年間1900件ほど寄せられているといいます。どうすれば、こうしたトラブルを避けることができるのでしょうか。輸入雑貨店で梱包を学んだ経験を持ち、荷解きや業者選びにも詳しい、整理収納アドバイザー・伊藤まきさんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

荷物はすべてリストにして記録を残す

 頻繁に引っ越しをしたことがある人はそれほど多くはないでしょう。そのため、引っ越し業者とのやり取りに慣れていない人も。トラブルを回避するには、3つのポイントを押さえておきましょう。

 まず、引越しトラブルで多いのが、物の破損・紛失です。自分で荷物を梱包する場合には、梱包している様子を撮影して、写真に残しましょう。丁寧に梱包していたかどうかの証拠を残すことが大切です。

 また、紛失に備え、段ボールなどの荷物すべてに番号を振るなどし、リストを作成。引越し業者が来たら、そのリストと突き合わせながら荷物を運んでもらうようにします。

 そこまでする必要があるの? と思われるかもしれません。しかし、やりすぎるくらいがちょうどいいんです。とくに、新居に荷物をすべて運び入れない場合(数年間だけの赴任で家財の一部を元の家に残して置くなど)は、トラブルが起こりやすいので要注意。仕事に慣れた大手の引越し会社を利用したにも関わらず、メールや見積書での内容確認を記録していなかったため、大変な目にあった人もいます。

 とくに繁忙期は、あちこちの引越しが重なり、スタッフは一日何件も引っ越し作業を行っていることも。しつこいくらいの「確認」が、結果的にスムーズな引越しの鍵になります。

業者とのやりとりは書面で残す

 私の知人の話ですが、引っ越し費用を抑えるため、荷物の一部を自分たちで運ぶことにしたそう。知人は口頭で「一階にある荷物だけ自力で運ぶ」と伝えました。ところが、業者側は「大型の家具・家電だけ運べば良い」と認識していたようで、当日は小型のトラックと最低限の人数のみを用意していたのです。

「作業内容の食い違い」で、業者とトラブルに発展。最終的には、小物の段ボール類は一切運んでもらえず、知人は何往復もする羽目になってしまいました。

 担当者との意思疎通がうまくいかなかったり、知人のようにイレギュラーな申し入れをしたりすると、このようなトラブルに発展することがあります。話し合った内容は、必ず書面に残すようにしましょう。

大型家具・家電は、手放すことも考える

 引越しをする際に厄介なのが、1人では運べないサイズの大型家具や大型家電です。今まで住んでいた部屋に入っていたのだから、引越し先も余裕で入るだろう。そう思ってしまいがちですが、ドアのサイズが5センチ小さかった、導線が悪く階段で運ぶことができなかったなど、搬入できなかったというトラブルも多く起こっています。

 こうしたトラブルを回避するために、見積もりを取る前に引越し先の見取り図(間取り図)を用意し、幅や高さをすべて計測し、業者に事前相談するといいでしょう。

 これも知人の例ですが、運び出すことはできたけど新居に入れることができず、業者から「ご自身で別会社を手配してください」と言われて、その場に放置されてしまったといいます。もちろん、引っ越し代の差額返金などはありません。

 こうした場合のことも考えて、大きすぎる家具・家電は、事前に「手放す」のも正解です。引越しする際は「万全を期す」ことが何より重要なのです。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize