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日本人が面食らいがちな異文化体験は機内から 元添乗員が解説する日本と外国航空会社の違い
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日本と海外では、レストランやホテルの接客サービス、対応などが違うのは当然のこと。飛行機でも違うなと感じたことがある人も多いのではないでしょうか? 世界約50か国以上を旅した元添乗員で、旅アドバイザー&トラベルライターのAnaさんによる連載。今回は旅のプロ・Anaさんだからこそ気づいた日本と外国航空会社との違いを紹介します。
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航空会社も異文化だらけ? 日本と海外の違い
添乗員時代は、行く国もエリアも使う航空会社もバラバラ。そのおかげもあって、本当に各国各社、いろいろなキャリア(※)に乗っていました(※旅行業界用語では、航空会社のことを「キャリア」といいます)。
そもそも接客サービスに対する考え方が違うと感じさせられるのが、客室乗務員(CA)の対応です。海外キャリアのCAは、総じてかなりフレンドリー。やはり言語や文化の違いもあって、対応はとてもカジュアルです。
教科書などでは「お飲み物はいかがですか?= Would you like something to drink? 」のはずですが、とくに英語圏の会社ではそんなフレーズはほとんど聞きません。「Hi! Drink?」が現実。ジュースの種類すら言ってくれません(笑)。ジュースといえば、オレンジ、アップル、ときどきトマトやマンゴー。ソフトドリンクでは、コーラ、ペプシ、スプライトというのが世界の共通認識なのでしょう。
機内食も「Chicken or Beef?」のみ。詳しい料理の内容や「チキンか牛肉をご用意しておりますが、いかがでしょうか?」といった付属語もナシです。
ぶつかっても笑顔で「Sorry」。何か頼んでも持ってきてもらうと「Enjoy!」。「申し訳ございません+お辞儀」「膝をついて目線を合わせて話す」といった、日本のCAの立ち居振る舞いとはまったく違います。
もちろんビジネスやファーストなど、クラスによって対応は変わりますし、人にもよります。細かく教えてくれる人もいますが、日本と比べると想像以上にカジュアルだと感じます。
到着後の機内は荒れ放題!
海外のキャリアでは、日本以外の国の乗客も必然的に多くなります。すると、現地到着時の機内はすさまじいものがあります。もはや、泥棒か車上荒らし、空き巣にでも入られたのかと思うくらい汚いのです。毛布やヘッドホンはぐちゃぐちゃ、ゴミやお菓子のクズは散乱。
日系の飛行機、日本人が座っていた座席はたいていきれいです。このあと、機内を掃除する人がいると思えば多少は気を遣うでしょう……は日本の感覚。毛布を軽くたたむ、ゴミを捨てる、そんな小さなことからも日本の衛生観念、整理整頓意識の高さを思い知らされます。