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日本と異なる英国の宅配事情 信じられないトラブルを経験した日本人女性 近所の人との交流をすすめる理由とは
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汝の隣人を愛せよ
自宅外で受け取ることができるサービスが充実していても、やはり重いものは自宅に届けてもらいたいですよね。そういうときのために、英国では隣人と仲良くしておくのをおすすめします。
友人は、ワインセットをオンラインで頼んだところ、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまったことがあるそうです。オンラインの配達記録では配達完了になっていたものの、友人の手元に商品が届いていませんでした。英国では、荷物の配達完了の証拠として、ドライバーが荷物を届けたときの証拠写真を撮るケースが多くなっており、配達記録には写真もバッチリ添付されていたといいます。しかし、友人は写真に写った場所にも覚えがありませんでした。
同じ建物に住む隣人にも聞いて回りましたが、誰も代わりに受け取っていないとのこと。そこで、自宅の両隣にある建物の住人にも尋ねたところ、そのうちの一軒が受け取っていたことが発覚しました。一件落着と思いきや、ラベルには友人の名前と住所がしっかり書かれており、間違って配達された様子。荷物を受け取った人はそのことを認識していたにもかかわらず、勝手に箱を開けて飲み始めていたそうです。
間違えた住所に配達した配達会社も配達会社ですが、勝手に人の荷物を開けて飲んでしまうという受取人の無神経な行動に、開いた口がふさがりませんでした。その後、友人がワインの購入先へ懸命に事情を説明したところ、ちゃんと返金されたそうです。
企業側に怒られる!?
私自身も、日本から大事な荷物を送ってもらったときに困り果てたことがあります。確実に受け取れるよう、配達予定当日は一日中在宅していました。しかし夕方頃になっても、この配達に関する呼び鈴は押されず。また、ちゃんとしたドライバーだと、表札である家の番号が見えにくいときなどは「近くにいると思うんだけど、家の詳しい特徴を教えてくれませんか?」と電話をくれることもありますが、そうした連絡もありませんでした。
不安になり、オンラインで見られる配達記録を確認すると「午後2時頃に伺いましたが、不在でした」と表示され、荷物は持ち帰ったとされていました。「あれ、おかしいな?」とそのとき思いましたが、再配達のときは絶対受け取れるようにしようと思い直すことに。
しかし、結果は同じ。2回目もいつ来たかまったくわからないまま不在持ち帰り表示になり、否応なく倉庫に送り返されてしまったのです。そうなると、車でしか行けない距離の倉庫まで受け取りに行くか、お金を払って近くの郵便局まで再配達してもらうことしかできません。
配達会社に状況を説明をしましたが、「記録で不在配達になっているから。こちら側ではどうしようもない」の一点張り。埒が明かないので、渋々お金を払って確実に受け取れる郵便局に再配達してもらったことがあります。
このように、英国では日々の生活の中で、思いがけないトラブルに巻き込まれることがしばしばあります。今振り返ると、こうして日々、何かしら事件が起こる暮らしに揉まれていくうちに、諦めずに自分の正当性を主張し、相手を説得するという新境地にたどり着いた気がします。
(Moyo)
Moyo(モヨ)
新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。