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どうぶつ

保護猫の「正式譲渡契約書」にマイクロチップに関する項目も 必要な手続きや費用とは

公開日:  /  更新日:

著者:峯田 淳

愛猫にマイクロチップを埋め込んだのは… 170キロ離れた街で発見された猫の記事

2度も脱走したクールボーイ【写真:峯田淳】
2度も脱走したクールボーイ【写真:峯田淳】

 マイクロチップのことは以前からわかっていたので、我が家ではクーが脱走から帰って来た20年5月に、早速、埋め込む施術をやりました。クーは人に懐かず、つかまえようとするとシャーをするか、脱兎のごとく逃げるのですが、これだけは譲れません。部屋に閉じ込めて、タオルケットでグルグル巻きにして、キャリーバッグに閉じ込め、行きつけの動物病院に連れて行きました。

 クーは病院に行くと観念して大人しくなります。施術は簡単です。これで脱走したときの保険をかけた気分でホッとしました。登録後、公益財団法人日本獣医師会から「マイクロチップ データ登録完了通知書」が送られてきました。15桁のID番号もありました。

クールボーイのマイクロチップ装着時のID登録と登録手続きの領収証【写真:峯田淳】
クールボーイのマイクロチップ装着時のID登録と登録手続きの領収証【写真:峯田淳】

 そうせきは22年にやってきましたが、3か月後、去勢手術のときに一緒に埋め込んでもらいました。このときの施術費用はマイクロチップ4500円となっていました。やはりすぐ後に日本獣医師会から「登録証明書」が送られてきました。

 クーのときははがきでしたが、そうせきのときはA4の証明書で、ID、暗証番号もあり、バーコードもついていました。

 そもそもマイクロチップについて興味を持ったのは小さな新聞記事がきっかけでした。見出しは「170キロ 長旅だったニャ」。静岡でいなくなった飼い猫が約1か月後に170キロ離れた名古屋で保護されたという内容でした。保護した人が名古屋市動物愛護センターに連れて行き、飼い猫とわかったからかどうかは不明ながら、リーダーで読んだら、飼い主の情報がわかり、飼い主の元に返されたというものです。ハチワレ、2歳のオスでした。写真で見る限り、顔がふっくらしてとても元気そうです。

 飼い主宅から保護された場所まで170キロもあったわけですが、その間、どうやって、どこを通って遠くまで移動したのか。不思議です。

 マイクロチップを埋め込んでいたことが役立った象徴的なケースだと思います。新聞の切り抜きは今も取ってあります。

(峯田 淳)

峯田 淳(みねた・あつし)

コラムニスト。1959年、山形県生まれ。埼玉大学教養学部卒。フリーランスを経て、1989年、夕刊紙「日刊ゲンダイ」入社。芸能と公営競技の担当を兼任。芸能文化編集部長を経て編集委員。2019年に退社しフリーに。著書に「日刊ゲンダイ」での連載をまとめた「おふくろメシ」(編著、TWJ刊、2017年)、全国の競輪場を回った「令和元年 競輪全43場 旅打ちグルメ放浪記」(徳間書店刊、2019年)などに加え、ウェブメディアで「ウチの猫がガンになりました」ほか愛猫に関するコラム記事を執筆、「日刊ゲンダイ」で「前田吟『男はつらいよ』を語る」を連載中。