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からだ・美容

もはや現代病のひとつ「ドライアイ」って何? 原因と治療法とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・出口 夏奈子

ドライアイ治療には点眼も効果的(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ドライアイ治療には点眼も効果的(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 もはや現代病のひとつと言われている「ドライアイ」。症状を訴える人は、年々増加傾向にあるといいます。そこで、改めてドライアイとはどんな病気なのか、発症原因や主な治療法、症状改善のために自分でできることについて、医療法人くろき眼科の黒木明子医師に話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

ドライアイとは、眼の表面が乾燥して違和感を引き起こす状態

――近年「ドライアイ」になる人が増えていると聞きますが、ドライアイとはどのような病気なのでしょうか。

「ドライアイとは、角膜や結膜といった眼の表面が乾くことによって、目の痛みやゴロゴロ感、目が疲れる、見えにくいといったさまざまな不快症状や違和感を引き起こしている状態のことをいいます」

――単に目が乾きやすいだけではないのですね。ドライアイになると、目にどのような影響があるのでしょうか。

「眼の表面が乾燥することで、表面にかすり傷のような傷をつけることがあります。さらにひどくなると、角膜潰瘍といって眼の表面に深い傷をつけることになり、その影響でばい菌に感染しやすくなります」

ドライアイになる原因は大きく分けて2つ

――眼の表面が乾燥してドライアイになる原因を教えてください。

「眼の表面にある角膜は、涙の層に守られて乾燥しないようになっています。しかし、その涙の層が乱れることで、眼の表面が乾燥してドライアイになるのですが、涙の層が乱れる原因は大きく分けて2つあります。ひとつは『涙の量が減る』こと、もうひとつは『涙の質が低下する』ことです」

――「涙の量が減る」とは、具体的にはどのようなときに起こるのでしょうか。

「涙の量が減る原因には、加齢による涙の分泌機能低下や自律神経の乱れのよる涙分泌機能低下、コンタクトレンズの使用による角膜知覚低下、涙の分泌が減る病気(シェーグレン症候群)などがあります。とくに自律神経の乱れは、ストレスや緊張から起こりやすく、現代病ともいえます。また、肩こりと一緒に起こることが多いので、とても疲れやすく感じることもあります」

――ドライアイのもうひとつの原因「涙の質の低下」については、いかがでしょうか。

「涙は、マイボーム腺というまつ毛の付け根にある部分から油が分泌されて、蒸発を防いでいます。このマイボーム腺が老化などで詰まりがちになると、うまく油が分泌されず、せっかく出てきた涙が蒸発しやすくなってしまいます。とくに女性の場合はまつ毛ギリギリにまでアイメイクを施すと、マイボーム腺にメイクが詰まり、メイククレンジングでも落としにくいので、注意が必要です」

――現代は、パソコン作業など目に負担をかけることが多いので、メイク以外にも涙の質を低下させていることがありそうですね。

「そうですね。現代病のひとつといえますが、パソコンやスマートフォンを使うことが多いと、ついつい瞬きの回数が減ってしまいます。実はこの瞬き、とても大事な役割を果たしており、眼の表面の蒸発を防ぐだけでなく、新鮮な栄養成分をいっぱい含んだ涙を角膜全体に行き渡らせる効果があります。ですから瞬きが減ると蒸発しやすく、涙の質も低下させてしまうのです」