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電話とメールが苦手な人が多い? 新入社員世代に教えるべきビジネスマナー
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まもなく職場で新入社員を迎える人も多いでしょう。新入社員には仕事内容だけでなく、社会人として恥ずかしくないビジネスマナーも身につけてほしいところ。ビジネスシーンにおいて欠かせない電話とメールのマナーですが、デジタルネイティブであるZ世代の新入社員たちは、どのような常識を持っているのでしょうか。企業でビジネスマナーやコミュニケーション研修を行う、マナー講師の樋田かおりさんに伺いました。
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デジタルネイティブ世代は電話に苦手意識
クラウド型コールセンター事業を展開する株式会社ソフツーが2023年10月に実施した「電話業務に関する実態調査」によると、20代~30代の7割以上が電話に苦手意識を感じているという結果が報告されました。SNSのチャットやメッセージ機能が普及したことに伴い、電話で話す機会が以前より減少し、電話への苦手意識を抱える若者が増加していることがうかがえます。
Z世代にとって「電話はつながっている友人との通話が中心で、知らない相手との電話でのコミュニケーションは緊張をもたらす」ものだと樋田さんは定義します。いまや固定電話がない家庭も多く、触ったことがない若者も増えているのだそう。携帯電話は1人1台が当たり前の環境で育ったZ世代にとって、会社の固定電話というのはどうしても他人事になってしまいがちです。
「自分のスマートフォン宛てでも知らない番号からの電話には出ない人も多いので、新入社員にはまず、会社の電話に出るという役割を教えることからスタートしてください」
また、Z世代は電話をかける前に、メッセージで「今から電話してもいい?」と確認することが当たり前です。誰から電話がかかってくるか事前にわかっているので、自分から名乗ったり、相手の名前を聞いたりする習慣がありません。
そのため、会社の電話に出るときには、まず会社名などを名乗り、相手の名前を聞くことが大切だと伝えましょう。
メールもSNS感覚のデジタルネイティブ世代
デジタルネイティブ世代だからと自主性に任せず、通常のメールとビジネスメールの違いを伝えることも必要でしょう。
「件名がないSNSに慣れていると、件名を軽視しがちです。そのため件名なしで送ってしまうことも。また、チャット感覚にならないためにも、伝えるべき内容を小出しにして無駄なやりとりが増えないよう、端的に書く方法を指導しましょう」
また、つまずきがちなのは、メールの宛先To、Cc、Bccの使い分けです。それぞれの用途や注意点を確認することも忘れないでください。
「これくらいは常識だろうという思い込みを捨てて、Z世代の常識を知ったうえでマナーを教える必要があります」
これまでとはまったく違う、未知の世界がスタートする新社会人。期待だけでなく、不安やストレスもいっぱいです。相手の立場に立って教えながら、若い世代とのコミュニケーションを円滑に進めていきましょう。
(樋田 かおり)