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子どもとやるべき防犯対策 新生活開始前にできることとは 専門家に聞いた
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とっさに大声は出にくい 紐を引っ張るだけで危険を知らせる防犯ブザー
また、“ツール”を使うのも有効な手段のひとつ。「防犯ブザー」なら小学1年生でも紐を引っ張るだけで大きな警報音が鳴り、不審者を驚かせるだけでなく、周辺の大人に危険を知らせることもできます。
「怖いとき、大きな声を出すことはなかなかできないものです。防犯ブザーの機能はいろいろありますが、子どもが使いやすく、理解できるものを。一緒に見ながら選ぶのがいいでしょう」と松田さん。ネットなどでも1000円前後から購入可能です。ただ、「買っただけで安心」では意味がありません。2つの大切なことを教えていただきました。
○月に一度は点検
防犯ブザーの電池切れなどを防ぐため、月に1度は点検をしましょう。消耗してくれば音量などに変化があるので、大人が気づいてあげましょう。
○理想は2個持ち
いざというときのために。ランドセルなど通学用カバン以外に、ふだん使っているお気に入りのバッグなどにも1つ入れておくと意識づけになります。
犯罪は外出時だけでなく、子どもひとりの留守番時も要注意
2016年の警察庁「平成28年の犯罪」によると、20歳未満に対する略取・誘拐の発生場所は登下校時など道路上が39.5%ですが、意外にも住宅で犯罪に巻き込まれるケースが24.8%というデータも。共働きなどで子どもだけで留守番するケースが増えたことも要因かもしれませんが、こうした状況には「家族でルールを決める」ことが推奨されています。たとえば家の固定電話にかかってきた電話は「ひとりのときは出ない」、玄関の呼び鈴が鳴った場合は「応対しない」など、留守番の決め事です。
不審者と接触する機会を減らすために、松田さんは3つのポイントを指摘します。それぞれの家庭での、留守番の決め事の参考になるかもしれません。
1. 当たり前のこととして、家の鍵は全部閉めること
2. 訪問者があっても不用意に対応しないこと。モニター付きインターホンがあれば確認するのがいいが、一番いいのは対応しないこと
3. 宅配便は「置き配」を選ぶこと
家族のルールを子どもと一緒に決めて、それを守ることに勝るものはありません。松田課長は「重要なのは、親子で団らんの時間に話し合うことです。夕食のときなどにその日の出来事を話す習慣があれば、何か変なことがあってもいち早く察知して、対応もできます」と話します。
子どもたちを守るのは親や保護者の責務。有識者の経験則をいかして、子どもたちを危険から守っていきましょう。
(芳賀 宏)