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仕事・人生

「サイテー男でした」と振り返るデビュー当時 ふかわりょうさんにとっての「いいひと」とは

公開日:  /  更新日:

著者:日下 千帆

幅広く活躍中のふかわりょうさん
幅広く活躍中のふかわりょうさん

 長く婚活を続けているのになかなか成婚しない、周囲からは、「いいひと」と言われるのになぜか彼女ができないとお悩みの男性はいませんか? 番組MCやエッセイストなど幅広く活躍中のタレント、ふかわりょうさんの初の書き下ろし小説「いいひと、辞めました」(新潮社刊)の中に、そのお悩みの答えがあるかもしれません。ふかわさんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

20歳で芸人の門を叩く 「割とすぐに有名になりました」

 ふかわりょうさんは、神奈川県出身。年齢を重ねるほどに味わいが出てくる職業はお笑い芸人かミュージシャンだと考え、高校2年生のときに将来の職業を決めました。

 当時、ビートたけしさんを見て、お笑いはインテリジェンスのある仕事だと感じ、4年制大学を目指して猛勉強。努力の甲斐あって慶應義塾大学経済学部に入学するも、目標達成のため、坊主頭に恋愛断ちというストイックな毎日を過ごします。

 在学中の1994年、20歳でお笑い芸人としてデビューを果たしました。現在は、バラエティ番組「バラいろダンディ」(TOKYO MX)のMCを務めています。

――20歳でお笑い芸人になるという夢を実現されましたが、デビュー当時はどのようなお仕事をされていましたか?

「『小心者克服講座』というネタを披露したのですが、長髪にヘアターバンという絶妙な気持ち悪さで、注目を集めました。その後の初ライブでも、予想以上の大きな拍手をいただき、手ごたえを感じました。ちょうどテレビ関係者が深夜番組のネタを探していたタイミングだったので、半年ほどで全国に名刺を配ることができました」

――その頃は、女性からモテモテだったのではないですか?

「正直言ってサイテー男でした(笑)」

――今回出版された小説は、結婚相談所に登録した男性が「いいひと」であるがゆえに、女性にモテないというお話です。具体的に、ふかわさんの考える「いいひと」は、どんなイメージなのでしょうか?

「たとえば、中学校の頃で言うと、ひとりで静かに筆記体の練習をしているような男子です。

 ところが、女子はわかりやすいヤンキーとかクズ男に惹かれますよね? 中学のとき、音楽の先生が不良に対して大声で『教室に戻りなさい』と注意したら、そいつが『それがどうした』って反抗したんです。そうしたら、聞いていた女子たちが『先輩かっこいい!』とか不良を褒めているんですよ。昔からそういうのが許せなかったですね」

――確かに中学校では、ヤンキーで人気の男子っていましたね。でも結婚を考える年齢になると、タイプの違う人を選ぶ女性が多くなります。

「最初はスポーツカーを選んで痛い目に遭ってから、国産ハイブリッドカーに乗り換えるみたいな感じです。恋愛はいいけど、最初からプリウスに行けばいいのにって思います。どう考えても、誰にも反抗せず、筆記体を練習している男子が将来、盤石だってわかるでしょう。

 テレビの企画でもよく、昔は不良だったけど、今はこんなに偉くなりましたみたいなのがありますけど、あれもやめてほしいです(笑)」

――外見が派手だったり、目立ったりする人に惹かれるのは、男性も同じではないですか? 女性から見て「なぜ彼女を選ぶのか?」みたいなケースは、いくらでもありますよ。

「お互いに騙されているのでしょうが、男性は情報共有の場がないんですよ。女性同士は、男性に比べてプライベートな話の情報交換がしやすいはずなのに、なんでみんな騙されるのかと思います」