インタビュー

押切もえ 夫・涌井投手から学んだこととは ママになっても輝き続ける家庭と仕事の両立術

著者:中野 裕子

育児も仕事もこなす毎日 【写真:山口比佐夫】
育児も仕事もこなす毎日 【写真:山口比佐夫】

「期待しすぎない」でイライラ回避

 今は優先順位がはっきりしていて、夫のサポートと育児が一番。子どもが昼寝している間や、夜、子どもが寝ついてからが自分の時間で、本を読んだりしています。短い時間を利用して、頭を切り換えていろんなことをやるのは、モデル時代の経験が生きているなと思います。モデルの時も撮影の合間って、待ち時間が多いんですよ。だから、2時間あいたらパッとトレーニングに行ったり、読書に集中したり。頭と心を切り替える訓練になっていたと思いますね。

 でも、家族ができると、それまで以上に自分の思い通りになりませんよね。子どもがやっと寝てくれた、と思ったらまた起きて泣き出したりして。ただ、私はあまりそれでイライラしたり、キーッてなったりしないんです。たぶん、あまり期待しない、期待しすぎないからだと思います。

 子どもってそもそも騒ぐもの、言うことをきかないものですよね。最初からそう思っていれば、それほどイライラしないんですよ。「う~ん、この子はどうすれば機嫌が良くなってくれるかな?」って、子どもとじ~っと正面から時間をかけて向き合って、おもちゃの“黒ひげ危機一発”で遊ぶときみたいに、“ご機嫌のツボ”を探してみるんです。そうやって楽しむようにしていますね。

 笑顔でポーズを見せる押切もえさん 【写真:山口比佐夫】
笑顔でポーズを見せる押切もえさん 【写真:山口比佐夫】

「怒っても何も解決しない」 夫から教えてもらったこと

「周りに期待しない」、というのは、主人から教わったことかもしれません。主人は私に何も要求しないんです。結婚前、私はアスリートの妻になるんだから、仕事はやめたほうがいいんじゃないか、とか、料理は完璧にできなきゃいけないんじゃないか、とか、気にしていたんです。でも、「そんなこと求めてないよ」って言ってくれて。「どういう夫婦が理想なの?」って聞いたこともあるんですけど、主人は家にいる奥さんより、仕事をしている奥さんのほうが理想だ、って言ってくれたんです。

 主人と一緒に生活してみると、まったく怒らないので驚きました。何があっても動じない。肝が据わっていて芯がしっかりしているというか。試合で勝っても負けても、帰ってくるときはいつも平常心で、荒れたりもしない。

 一度、「怒ったりしないの?」「なんで怒らないの?」って聞いてみたことがあるんです。そうしたら、「だってしょうがないじゃない。怒っても何も解決しない。怒るだけ自分の時間がもったいない」って言うんですよ(笑)。それもそうだな、って。主人は試合で大勢の観客の視線を一身に集めてプレーしているから、平常心を保つ訓練を積んでいるんでしょうね。感情を表に出さないので、私は主人の微妙な表情の変化に気づくように心がけています。

 体の面でいうと、家族の健康のためにも、そして私自身も女性らしくキレイでもいられるように、食べ物にはとくに気をつけています。最近は発酵食品がお気に入り。甘酒を飲んだり、ぬか漬けを漬けてみたり。好奇心が強いので、あれもこれもやってみたくなるんです(笑)。今まで同世代の女性たちからたくさん応援していただいてきたので、私からもエールを送れるように、これからもがんばっていきたいですね!

◇押切 もえ(おしきり・もえ)
1979年12月29日、千葉県生まれ。人気女性ファッション誌「CanCam」「AneCan」(小学館)の専属モデルとして活躍。小説家、画家としても活躍し、2019年11月、初の翻訳にも挑戦し、上海を拠点に活動する瞑想ファンのアーティスト・Ton Mak の大人の絵本「たまには、やすんだら?」(飛鳥新社)を翻訳出版。 11月16日、東京・中目黒の蔦谷書店で出版記念サイン会&トークショーを行った。