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端午の節句に菖蒲湯に入る理由 月ごとに違う12の季節湯と期待できる効果とは
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菖蒲湯だけではない! 月ごとに「季節湯」がある日本の風習
端午の節句における菖蒲湯のように、日本には季節にちなんだ植物を湯船に入れて浸かる風習があります。12月の冬至に入る「柚子湯」が有名ですが、実は「季節湯」としてすべての月にそれぞれの植物があるのです。
季節湯の起源には諸説あるものの、平安時代に空海が医療用の「薬湯」として始めたのがきっかけとか。江戸時代になると、大衆にも入浴の習慣が一般的になり季節湯が親しまれました。
月ごとにどんな植物が入浴に用いられてきたのかを紹介しましょう。
冬は体を温めるもの 春から梅雨は肌の炎症対策も
○1月:松湯
冬の時期も青々とした緑を保つ、不老長寿の象徴。「神を待つ(松)木」の縁起物として、正月の門松としても用いられています。体を温める効果に期待。
○2月:大根湯
栄養たっぷりの葉部分を使用。大根の葉はビタミン、カルシウム、鉄、ナトリウムなどの成分が豊富です。冷えに良いと考えられてきました。
○3月:よもぎ湯
ショウブと同様に、邪気を払うものとして古くから用いられてきました。漢方にも使われ、殺菌や解熱など高い薬効が期待されています。
○4月:桜湯
桜の花ではなく、樹皮を用います。煮出した樹皮には消炎効果があるといわれ、湿疹やあせも、打ち身など、肌のトラブルや炎症を和らげるものとされました。
○5月:菖蒲湯
強い香りが邪気を払い、厄難を除くと考えられていました。端午の節句に入る風習が今も残っています。虫刺され予防、疲労回復やリラックスなどに期待。
○6月:どくだみ湯
漢方の世界で「十薬(重薬)」と呼ばれるほど、薬効が期待されています。ジメジメと蒸し暑くなる頃のあせもや湿疹の対策に。