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日本のアートはニューヨークでどう受け入れられている? 「日本人の美意識が今も息づいている」と感じる理由
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日本を感じるスポットはニューヨークにも
日本への関心の高さを感じるのは、浮世絵だけではありません。ブルックリン美術館の隣にある植物園には日本庭園があり、赤い鳥居や池の水面に映る桜、桜並木の散策を楽しむことができます。
桜といえばワシントンが有名ですが、ニューヨークでも4月上旬には、セントラルパークをはじめ街の至るところで桜が咲いているのを見かけます。桜を見て、こちらの人たちが楽しんでいるのを見ていると、なぜかうれしくなります。ブルックリン植物園でも、着物を着た小さな女の子が楽しそうにはしゃいでいました。
ただ、ニューヨークでは、野外でお酒を飲むのは禁止されています。日本のように花見で一杯というわけにはいかないのが、少々寂しいところではありますが、純粋に桜を鑑賞するには良いのかもしれません。
今も残る浮世絵の影響
ニューヨークにはメトロポリタン美術館をはじめ、MoMA(ニューヨーク近代美術館)、グッゲンハイム美術館など数多くの美術館があります。
より多くの人が美術に親しめるように、入場料が無料の日を設定していたり、入場料を寄付制にしていたりする美術館もあります。寄付制は推奨価格があるものの、自分の懐具合と相談しながら支払う金額を決めて良いのです。
また、鑑賞の仕方も、日本に比べてとてもおおらかです。絵画の前でスケッチ用の椅子に座り、イーゼルを使って本格的に模写する人までいます。
また、美術館ツアーに学生たちが参加しているのもよく見かけます。学校の授業で美術作品についてのエッセイなどの課題が出されることも多く、絵画を通して自分が感じていることを表現する力を身につけるということでしょう。
アートの街・ニューヨークにおいて、日本との関わりも見逃せません。19世紀に西洋へ渡った浮世絵は西洋人を魅了し、ジャポニズムというムーブメントを起こします。とりわけモネやセザンヌ、ゴッホなど、印象派の画家に大きな影響を与えました。
メトロポリタン美術館をはじめ、ニューヨークには世界屈指の印象派のコレクションがあります。新興国であるアメリカでは、ヨーロッパの古典的な名作を手に入れることが難しく、当時流行していた印象派の作品に目をつけたのです。
浮世絵や桜、日本人の美意識が今も息づいているような感じがします。
(ユキ)
ユキ(ゆき)
都内の出版社で編集者として働いていたが、2022年に妻の海外赴任に帯同し、渡米。駐在員の夫、「駐夫」となる。現在はニューヨークに在住し、編集者、学生、主夫と三足のわらじを履いた生活を送っている。お酒をこよなく愛しており、バーめぐりが趣味。目下の悩みは、良いサウナが見つからないこと。マンハッタン中を探してみたものの、日本の水準を満たすところがなく、一時帰国の際にサウナへ行くのを楽しみにしている。