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「とにかく将棋が好き」 12歳でプロになった女流棋士 結婚を機に臨むさらなる高み

公開日:  /  更新日:

著者:日下 千帆

6歳で将棋を始め、わずか12歳でプロに

――6歳から将棋を始められたそうですが、何がきっかけだったのでしょうか?

「父が兄に将棋を教えていたので、それを横で見ていて覚えました。兄がいたから続けられたと思います。ときには、父と兄と三人で大会に出ることもあったのですよ」

――将棋の世界は男性社会という印象がありますが、当時は女性で将棋を指す人は少なかったのではないですか?

「12歳でプロになった当時、女流棋士は50名程度だったと記憶しています。今は、引退した棋士も含めると100名近くに増えているのではないでしょうか。本当に増えたな……と感じますね。昔は、勉強会に出るのにも、男性ばかりで部屋に入るときに緊張しましたし、勇気も必要でしたが、少しずつ変わってきて参加しやすくなりました」

――長いキャリアの中で一番印象に残っている対局は?

「2008年11月、16歳の時に第16期倉敷藤花戦で初タイトルを取った対局です。倉敷での開催でしたが、地元に近かったので、家族みんなが応援に来てくれて、喜んでくれました」

――福間さんご自身は、毎日、どのくらい将棋に時間を費やしているのでしょうか?

「体力のあった20代前半くらいまでは、毎日一日中やっていましたが、年齢とともに疲れやすくなってきて、女流棋士が増えて対局の数も増えたため、今は、休むというバランスも大切にしています」

――休日はどう過ごされるのですか?

「将棋以外は、マッサージや温泉に入るなど、身体を癒すことをしています。風邪などで体調を崩すと時間を無駄にしてしまうので」

――対局中のエネルギー補給には何を召し上がっていますか?

「フルーツの盛り合わせが多いです。対局中は座りっぱなしで、口を動かすこともありません。誰かと会話することもほとんどないですし、口を潤すためにフルーツをいただいていますが、緊張しているので、味わうことまではできません(笑)」

強さの秘訣は「将棋が好き」であること

――ご結婚されてから変化はありますか?

「独身時代は、起床時間がばらばらで10時くらいまで寝ていることも多かったのですが、2人での生活になってからは、規則正しくなりました」

――長期間、女流棋士の第一線で活躍するのは大変なことだと思いますが、ここまでは計画的に来られたのでしょうか?

「いえ、計画性もなければ、何も考えてこなかったのですが、先の目標を作らずに目の前の大会に全力を尽くすということを繰り返してきました。とにかく将棋が好きだったので、毎日続けてきた結果です」

――今、全国的に将棋女子の数が増えてきているようです。福間さんのように強くなるにはどうしたらいいのか、秘訣を教えていただけますか?

「自分自身がやりたいと思って取り組むことが大事ですね。将棋を好きになって楽しいと思えれば、続けられるし、のめり込めます」

 今年は女流棋士50周年であり、また将棋連盟も100周年を迎えるそうです。そうした節目に、更なる実力アップを目指して頑張っていきたいと話す福間さん。一手一手を作り上げ、ファンに楽しんでいただける将棋を目標としています。今後も末長く、第一線で活躍される姿を応援していきたいですね。

(日下 千帆)

日下 千帆(くさか・ちほ)

1968年、東京都生まれ。成蹊大学法学部政治学科を卒業後、テレビ朝日入社。編成局アナウンス部に配属され、報道、情報、スポーツ、バラエティとすべてのジャンルの番組を担当。1997年の退社後は、フリーアナウンサーとして、番組のキャスター、イベント司会、ナレーターのほか、企業研修講師として活躍中。