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どうぶつ

動物の保護活動のため電撃引退のトップ選手 一般家庭以外の譲渡先を模索する理由と課題とは

公開日:  /  更新日:

著者:峯田 淳

トップ選手を電撃引退し保護活動への道に進んだ高木真備さん【写真提供:高木真備】
トップ選手を電撃引退し保護活動への道に進んだ高木真備さん【写真提供:高木真備】

 猫を家族の一員としてお迎えする方法として、保護猫の譲渡を選択する人が増えています。そうした保護猫をお世話し、行き場を失っている猫の命を守るため、積極的に行動している人たちは少なくありません。コラムニスト・峯田淳さんが、保護猫活動について連載する企画。前回に引き続き、犬や猫の保護のため、トップ選手を電撃引退した元女性アスリートの活動に迫ります。

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「保護された犬猫たちが新しく輝ける場所」を作るために

 元ガールズケイリン(競輪)の選手で、頂点を極めた高木真備さんが保護猫&保護犬活動を始めたのは2022年からです。保護活動をやりたいけど、どういう形で関わるか。譲渡会や保護活動を行っている施設なども見て回って、さまざまな方の話を聞いたそうです。

 そのなかで、全国に動物を保護し、お世話をして譲渡する活動をしている団体さんがたくさんあって、活動に携わる人のおかげで守られている命がたくさんあり、それでもまだ行く先がなくて殺処分になる命があることを知りました。そこで、犬猫それぞれが生きていける場所を今以上に増やしたい、そのために通常の保護施設とは異なる形で犬猫のためにやれることがないか考えました。

 もともと、動物と人の関係には大きな可能性があると感じていたことから、たとえば高齢者の施設や、障害者福祉の施設、児童養護施設や保育園、学童といった場所で保護猫、保護犬と過ごすことができたら――と考えたそうです。

「高齢の方は猫を飼うことが難しいことがありますが、施設で職員さんの力を借りながらであれば保護猫と一緒に生活することができるのではないか。養護施設や学童でもみんなで保護猫を飼うことができたら子どもたちも楽しい時間を過ごせるのではないか。そしてなにより、保護された犬猫たちが新しく輝ける場所が増えるのではないか。人が大好きな性格の猫や犬にとっては幸せな居場所になるかもしれない……。そういう新しいシステム作りをすれば、一般家庭への譲渡に加えて、さらに幅が広がると考えました」

 しかし、福祉施設が人手不足で、動物の世話を一緒にやる負担やアレルギーの方がいた場合の対応など、まだ課題もあります。今すぐにではなく、5~10年かけて実現できるように動いているそうです。